足達杏の投稿作品一覧
-
その演劇は彼女の気分で回り出す、僕はそれに溺れていたかった
ララ、ララ、ララ、ララ
ララ、ララ、ララ、ララ
その演劇は彼女を囲んで回り出す、僕はそれに溺れているだけだった
何よりも笑顔が眩しかったが、もう思い出せないな
君は透明な艶美で、乞うては大抵を呑んで
僕の醜く澱んだ願いを、受け止めては浄化し...アンジュ
-
ヒステリカル・メロディーズ……
痛み伴う午前九時、何も分からぬふらつき猫
只管漂う呻き抗いも、このままどこかに行ってくれ
未だ彷徨う昼下がり、何も分からぬまま
ここでくたばる為の死に場所を探す野良猫、このままどこかに行ってくれ
足元が覚束ぬ日々に嫌気が差しても
怠けても寝て起きても只管心が痛むだけ
...ヒステリカル・メロディーズ
-
シンプル・イズ・エモのビートで、人は退廃を嘲笑う
何より大嫌いな君の、その気を引きたいから虐めてる
愛を持て余すデジタルヤンキーと、焚いたばかりの防虫剤
路地裏紛いの隠れ家商店で、君はこの世を嘲笑う
シンプル・イズ・エモのビートで、人の脳内を掻き回す
何より大嫌いな君が、その引き攣った顔が大好きだ
...デカダンスフロア
-
ああすれ違いざま、雨上がりに濡れた裾を振ったんだ
不意打ちの様な愛の殻、呪われた空にお似合いだ
ああすれ違いざま、雨上がりに霞む君を追ったんだ
過ちを抱いた過去の事、攫われた様に錯覚した
ああ黄色い風船が、どこからとも無く現れて
ああただその輪郭を、風に煽られ揺らしては浮かぶんだ
どうか、
こんな日...コール・ペトリコール
-
魘される様に気付いたのは、諦めの悪く引き摺った心で
求めていた忘れている時間が、今思い出した様に牙を剥くんだ
貶される様に俯いたのは、どこまでも青く澄み広がる空が
開けた窓辺に向ける瞳が、ただ愛しかった事を思い出したから
「嫌いな物は塗り潰したらいい、俺だけの世界へ飛び込むんだ」
痛い程に柔らかなそ...ステンド
-
都合良く引き摺った、感情や妄想
あの頃を書き殴った、未練重ねたメロディーで
都合良く引き摺った、迷走も恋も
行き場の無い声だけと、残されたクレモンティーネ
何だか分からん味のキャンディをぶら下げて
もう降らん雨待つ折り畳み
そんなに好きでも無い音楽に身を寄せて
気の毒なイヤホンを愛していたんだ
バス...クレモンティーネ
-
アー、熱中熱中覚えてるのは、日差しが照るその白っぽい肌
見とれていたんだ、夏の朝に
アー、熱中熱中なぞってるのは
汗が這ったその白っぽい肌
目で追っていたんだ、後ろ姿
こんな感情も、衝動も、何が何かすら分からないまま
君は揺れた、君は揺れた、その吸い込まれそうな瞳を残して
黄色、黒色と警告音、乱れた...あの日電車に跳ねられた彼女が、やけにいやらしく見えたんだ
-
おはよう、って言葉を裂けば、鳥が鳴けば、未だ夢の中の午前四時
目は閉じたまま、窓辺の朝
息は忘れたままで居れば、嫌になれば、眠りの世界に落ちてみたり
まだ恋しいんだ、こんな静けさ
俯き躓き穏やかな笑み、ご挨拶済ませてよ
夜は去ったよ、頭の整理はついたかな
それでもあの子はまだあの部屋に、指が離れてし...タルト・オ・フレーズ