百一色

繋ぎとめておけない
そんな心(もの)なら 薙ぎ払ってしまおうか？
寂しさを募らせる
そんな距離感を 保てるうちに壊してしまおうか？
いつか灰に変わって
消えゆくのを待つ
甘ったれたナルシズム
君の瞳に映る世界に
俺は映っているのでしょうか？
握った手は簡単に摺り抜けて...

　
　
朝と夜の狭間に
薄明かり 欠ける色
時を惑わして 照らす
薄荷の染みた空気
風が含んだエタノール
音の眠った輪郭溶して
笑い方を忘れた僕を 小鳥が笑った
沈んだ言葉が感情を淀ませて...

　
　
うっすらとした夢(らくがき)に
ペン入れしようか迷ってさ
あれこれするうち 自信(ぺん)を無くした
綺麗な才能(しきさい) ぶち壊したくて
折れたペン先拾いあげてさ
打ち付けた思い(いんく)は飛び散るばかり
夢(かみ)を破いて捨てたくなった
どうせちっぽけ つまらぬラクガキ...

　
　
死んでゆく世界で叫んだ
四文字の言葉 妙にリアル
モノクロ眼鏡 色を映さず
重なる色 黒く塗り潰し
乾いた地面に溶け込んで消える
掠れる音 どこかで途切れて
黄ばんだ譜面 散らばって舞う
掴み損なった手...

　
　
僕はその中にいる
ヒカリを探すのに もう疲れた
ヒカリは求めなきゃいけないと
誰がそう決めたんだ？
何も見えぬこの空間
誰にも届かぬこの場所で
瘡が癒えるまで 僕は待とう
僕はその中にいる...

　
　
将来 未来と 急かし立てる現状
夢ワ？ 夢ワ？と 問う大人達
通知表(かみきれ)一つで 語られる将来
数値化された 未来像
針が時刻を刻む度 将来(なわ)は俺を締め付ける
鋭く尖った現実に 夢は儚く削られた
紙切れの上の数値(パーセンテージ)
それでほんとに 未来が見える？...

　
　
シャワーのような豪雨の中 待ち惚けする俺
君はせせら笑うだろうか？
曖昧で気まぐれな君
まるで野良猫みたいに俊敏で
捕まえることさえできなくて
いつも君に振り回されてばかりさ
それでも たまに戻ってくる君を
俺はなんでか憎めない...

　
　
人はみんな御都合主義で
嘘に塗(まみ)れたことばかり
その笑顔は被り物？
泣くも怒るも いけないことか？
笑っていれば 気が済むだろう？
被り物だと気付かずに
誰もが笑顔と思い込む
Good smile？...

　
　
月は何色で僕を見る？
哀むようなその灯(あかり)《月光》
今夜の月は 悲哀色かい？
始まった人形遊び《人形劇》
あんたが悲劇のヒロインで 僕は哀れな人形《puppet》役かい？
投げ出されたpuppet《体》
そうやってまた飽きるんだろう
あんたはそれで 満足なのかい？...