NiGiRi

小説を添えて　BPM193
枕元に添えた小説の
表紙君幽して待ってる黙ってる
嘘の様な噂
「書物と眠れば夢が変化するはずだ」
まぁちょっと変わったらいいかな
君の澄んだ声がした
空は挿絵の様だった
何度も見返しイメージした情景の転写物みたいだ
そっと頬を緩めて笑う君に朝日が差している...

Sobbing　BPM192
肌刺す様なモノクロの世界
可視化されてしまった白い息が
降り落ちる雪に逆らって雲を目指している
嗚呼幾年前の消極的思考
気付かぬうちに置いてきていたメモリー
祈る神さえ宛がないのに
巡り会う為独り彷徨った
たえ消が頭のんゃち姉お
啜り泣く雪が積もっていく積もっていく中...

乖離していく。　BPM105
窓の光に嫌気が差した
早く起きろと叱ってるみたいだ
僕が急げば青かった日々が
こっちを向いてくれるのか？
でもどっかで期待していたんだ
しょうがないで済ませたくはないから
写真フォルダに残る日常
見返したら笑えてしまった
くだらない話の奥底に...

w　BPM200
吐き出した言葉の正体も
耐え難い痛みの数々も
解らないみたい
すぐ傍に居るのに
積み上げた恐れと寂寞を
飲み込んだ蕾が花と成る
目を開くのは
胸に潜むアイソトープ
あの日誰かの声が聞こえた...

幸せみたいね。　BPM189
ずっと続くと思ってた君の愛情はもう墓の中
雨と化粧が交わって頬を撫でていく
そっと歩みを緩めた
昔住んでいたあのアパートだ
深く染み付いた思いが今も生きている
いつか2人で笑いたいって願っているのに
布で隠した頬の傷は涙と溶けている
ねぇ、どうしてそんなにおかしくなった...

ネクロトーシス　BPM187
白い部屋に閉ざされた君は
息を引き取ったかのように眠っていた。
薄い瞼に隠された黄色い瞳を
私は心底好いてしまっていた。
そんなこの気持ちさえも
いつかは無に還るなら
「愛してやまない」
と伝えてもしょうがないだろう
三千年の時を超えた大発見も...

極楽果実　BPM162
甘い果実に手を添えた貴方
暗い瞳で虚空を見ている
「軽い気持ちで始めただけなのに」
気が狂ってるんでしょう
いつだってわかってたんだ
後戻りは出来ないんだ
変わらない変われないんだ
何処に居たって
目の前に映った幻想...