基本的に文しか書けません。物書き歴は無駄に長いです。 感動しすぎると何か生み出したり、気まぐれで何か書いたりするかもしれませんが、生易しくあしらっておいてください。 ちなみにKAITO好きです。 兄さんらぶ。ろくに使えないくせに兄さん持ってます。あれ?
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幼い時分だった。親が持っていた媒体で見た、昔の美しい海。
見惚れた。いつか、本物を見てみたいと願っていた。
それは途方もなく難しい話で、このままいけば悪化するばかりなのだと、まだその頃は知らず、無垢にもそれがいつか叶うと信じていた。
そして、世界を知り始めた頃。俺は両親を亡くした。
極普通の一般家庭...願いと成就 最終話
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白い花が咲いていた。
それに気づいたのは、奇しくも雨宿りの最中であった。
ひっそりと、可愛らしい小さな。
むき出しになった床の下の土からひょこりと顔を出したそれは、吹き込んできた露を乗せてきらめかせている。
そこで初めて、雨が有害なそれではなくなったことに気がついた。
ゆっくりと座り込んで見つめて、...願いと成就 5話
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売れ残っていたボーカロイドを買った、風変わりな妙な男。
彼に理由を問えば、彼は首を傾げてこういう。
「気に入ったから」
現に、彼はKAITOを起動させる前から、存分にその外見を眺めて満足そうにしていた。歌うための存在を、彼は外見からして気に入ったらしい。
まず、青が好きな彼にとって、KAITOの髪の...願いと成就 4話
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この家に止まることはできない、とKAITOは考えていた。動かなくなってしまった躯はそのままにした。
もしかしたらまた動き出すかもしれないという甘い考えが捨て切れなかったのか、それともただ単に魂が抜けた物体をマスターであると思いたくなかったのか。それはKAITO自身にもわからない。
何も持たずに外へ出...願いと成就 3話
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男は生来、身体が強いほうではなかった。病弱と言うほどあからさまではなかったが、インフルエンザなどの流行り病には必ず罹ったし、不精をすればすぐに体調を崩した。
食料が満足に供給されない現状では、男が体調を保つことは酷く難しい話なのである。
先の会話をしてから、幾日も立たぬうちに床に伏してしまったマスタ...願いと成就 2話
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あなたは言った。
いずれ、居なくなるのか、消えていくのか、どちらにしろ人類はこの星からいなくなるだろうと。
ほんの少し苦笑して、悲しそうに目を細め。
そっと僕に触れながら。
「…あなたも、いなくなるのですか」
「そうだね。俺はそんなに沢山お金などないから…」
消えていくの、だろうね?
そう囁いて笑う...願いと成就 1話
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愚かで虚しい僕達は
地上から姿をけすよ
残るのは贖罪要らぬ君達と
キセキなる大地だけ
いつか風は薫風となり
空は澄んで元に戻るだろう
萌えたる大地に降り注ぐのは
陽の光と恵みの雨
いつか教えて命の消えた大地に命(それ)が戻る日に
ねぇいつか教えて...【替え歌】願い事~Waiting in Earth~