タグ「小説」のついた投稿作品一覧(4)
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第五章~紅の雨夜~
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ぬかるんだ地面が足元でグチャリと音を立てた。
雪が解けて、一部の土が露出している。
まだ残っている雪の部分も既に白くは無く、幾つもの薔薇が咲き誇っていた。
それを踏み潰すと、サクサク音を立てながら地面を塗らしていき、そしてまた、グチャグチャと不快な音を立てた。
無心に地面を踏...【小説】或る詩謡い人形の記録
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間章~逃走~
村に着いた時には、既に夜遅く、暗闇に包まれていた。
暗闇を照らすのは、家々の明かりだけ。しかし科学者の家だけ明かりは灯っていない。
悲鳴を上げる扉を乱暴に開くと、科学者の家は既に蛻の殻だった。村の何処を探しても、彼らはいなかった。
――逃げられた。
そう思った彼女は、目の前にそびえる山...【小説】或る詩謡い人形の記録
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第四章~白き科学者~
1
蒼い女騎士は村人に、科学者の場所を聞いていた。
気はのらないのだが、王に対する忠誠――それと恋心のため、此処まで赴いてしまった。
こんな手紙を渡さなければならないのか。
やはり断ったほうが良かったのではないか。
そんな事を考えている間に、目的の家に辿り着いてしまった。
「あ...【小説】或る詩謡い人形の記録
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第三章~探索の誤り~
1
翌日から王は兵を率いて、歌姫の延命の術を探し始めた。
勿論、幼馴染の女騎士もその兵のうちに含まれている。
おそらく、彼女の本意ではないだろう。
王のため、と参加はしたが、本当にこれが正しい選択だったか悩んでいる。
王や多くの兵が国を離れてしまって、本当に良かったのだろうか...【小説】或る詩謡い人形の記録