漫画、アニメ、ゲームが大好きな人間です。 イラスト描いたり、文章書くのは好きですね。 イラストも文も上手くないですが・・・; こちらから、私のブログに行けます。 http://hornet768.blog75.fc2.com/ HPはこちら。 http://haneyasumi.web.fc2.com/index.html
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後夜祭
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第五章~紅の雨夜~
1
ぬかるんだ地面が足元でグチャリと音を立てた。
雪が解けて、一部の土が露出している。
まだ残っている雪の部分も既に白くは無く、幾つもの薔薇が咲き誇っていた。
それを踏み潰すと、サクサク音を立てながら地面を塗らしていき、そしてまた、グチャグチャと不快な音を立てた。
無心に地面を踏...【小説】或る詩謡い人形の記録
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紅愁花
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間章~逃走~
村に着いた時には、既に夜遅く、暗闇に包まれていた。
暗闇を照らすのは、家々の明かりだけ。しかし科学者の家だけ明かりは灯っていない。
悲鳴を上げる扉を乱暴に開くと、科学者の家は既に蛻の殻だった。村の何処を探しても、彼らはいなかった。
――逃げられた。
そう思った彼女は、目の前にそびえる山...【小説】或る詩謡い人形の記録
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第四章~白き科学者~
1
蒼い女騎士は村人に、科学者の場所を聞いていた。
気はのらないのだが、王に対する忠誠――それと恋心のため、此処まで赴いてしまった。
こんな手紙を渡さなければならないのか。
やはり断ったほうが良かったのではないか。
そんな事を考えている間に、目的の家に辿り着いてしまった。
「あ...【小説】或る詩謡い人形の記録
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ワルツ
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第三章~探索の誤り~
1
翌日から王は兵を率いて、歌姫の延命の術を探し始めた。
勿論、幼馴染の女騎士もその兵のうちに含まれている。
おそらく、彼女の本意ではないだろう。
王のため、と参加はしたが、本当にこれが正しい選択だったか悩んでいる。
王や多くの兵が国を離れてしまって、本当に良かったのだろうか...【小説】或る詩謡い人形の記録
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happy birthday
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第二章 ~碧空の歌姫~
1
「陛下、本日はこの国で一番の歌姫がみえております」
――思えば、全てが狂いだしたのはその日がきっかけだった。
一人の娘が部屋に入った瞬間、誰もが息を呑んだ。
『歌姫』と紹介されたその娘が、あまりにも美しかったからだ。
肌は雪のように白く透き通り、艶やかな緑の髪は傷むと...【小説】或る詩謡い人形の記録
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第一章 ~雪国の二人~
1
そこは、城の謁見の間。
玉座には、少しだるそうにして若草色の少年が座っている。
そしてその隣では、蒼色の少女がそんな少年に軽く説教をする。
玉座に座っているところ、彼はこの国の王で、少女は彼の騎士であろう。
他から見れば微笑ましい光景だが、少年からすれば耳が痛く...【小説】或る詩謡い人形の記録
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~プロローグ~
その部屋は窓一つ無く、湿気とかび臭さが籠もっていた。
最後にこの扉を開けたのは、数十年ほど前といったところだろうか。
扉を開けた男は部屋の不潔さなど気にも止めず、部屋の隅へと歩みを進める。
そこでは二体の男女の人形が椅子に座っていた。
その二体はあまりにも美しく、限りなく人...【小説】或る詩謡い人形の記録