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それからというもの、ハクとミクは頻繁に会うようになった。毎日二人で山菜を取りに行った。放棄された畑を見つけ、二人で耕した。そうしてできた小さな畑で、いろいろな野菜を育てた。数日に一度は、二人で畑に行き丁寧に手入れをした。それはみんなハクにとって初めてのことだった。
ある夏の日、ハクはいつものよう...悪の王国⑤
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Ⅰ Montrosia〈モントロージア〉 ロージア島(左上)に位置する国。
Ⅱ Theatore〈テアトール〉 ナイアデス地方北西部に位置する国。
Ⅲ Interlia〈インターリア〉 ナイアデス地方のほぼ中央に位置する国。
Ⅳ Galiciria〈ガリシリア〉 インターリアの南に位置する国。
Ⅴ ...悪の王国 舞台 修正①〈説明〉
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金と黒曜石、黒御影石をふんだんに使った城は、きらびやかな中にも重厚感を漂わせる。大陸に城は数多くあれどその中でもテアトールの宮殿はひときわ美しい名建築と呼ばれていた。赤いカーペットの敷かれた長い廊下は、使用人の有能さを示すかのように汚れひとつない。ずいぶんと高くなった日の光を浴びて光るその廊下を、...
悪の王国③
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◆第三章 ―白(ハク)―
それは、テアトールから見て南の小国のさらに小さな村――モントルークスでのことだった。
うっそうと茂った森の中。林業を主とした産業構造を持つこの国に数多くある村のひとつ。村人、否、この国の国民は、ほとんどが緑色の髪をした人々だった。男と女を比べると女性のほうが多い。7:3...悪の王国④
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◆第二章 ―別(ワカレ)―
それは、ある日の朝のことだった。
いつものように、レンとレンはルカに起こされて着替える。
食堂に行けば、既に食事は準備されていて、いつものように二人並んで、朝食を食べる。
部屋で遊び、キヨテルによる勉強の時間に脱走して、やはりいつものようにルカに見つかる。いつもと...悪の王国②
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◆プロローグ
どこで、まちがえたんだろう――。
黒と黄色を基調としたセンスのいい城の一室で彼は自問する。
それは、多分――
◆第一章 ―序(ハジマリ)―
荘厳な鐘が国中に鳴り響いた。王子と王女の誕生を知らせる鐘だった。やっと。もしくは、ついに、といったところか。長い間子宝に恵まれず、王も高齢...悪の王国
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