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【華乱舞】
霧の深い景色の向こう
出した便り届いたのか
迷い迷え道なき遠い
山の麓(ふもと)上がる篝火
心明かり
光の数わずかに揺らし
仄暗い空間の中人肌恋しい
唐傘闇夜で主張し回り回れば
琴の音も参加して...華乱舞
泡沫 遊
[最終話]~手紙
皆、お体を壊してなどいませんか。
急にいなくなったりして、ごめんなさい。
本当は、ずっとそちらにいたかったし、皆と過ごしたかったのだけれど。
私、皆に伝えきれなかったことが、たくさんあります。
ずっと言いたかったことを、この際伝えておきたかったから、筆を持ちました。
もちろん...緋色花簪
イズミ草
[第19話]~桜
「連は元気にしてるかなあ。」
誰もいない病室で、一人で呟く。
私は、1週間昏睡状態に陥っていたようだ。
私がこちらに戻ってきたのが3日前。
むこうで、1年暮らしていたと思ったけれど、こちらでは1週間しか経っていなかった。
浦島太郎と逆だ。
私の意識が戻ったというのを聞いて、親...緋色花簪
イズミ草
[第18話]~別れ
私とりんは二人で霧岐屋さんから頂いた大福餅を食べていた。
何故だか、りんは巡屋さんがどうなったのかを訊いてこない。
きっと、自分が巡屋さんという一人の人間の人生を、捻じ曲げてしまったと思っているのだろう。
まだ、あまり花は咲いていない。
庭の木には、葉が一枚も無く、悲しげだ...緋色花簪
イズミ草
[第17話]~帰還
巡屋さんのあの件からだいぶ月は過ぎ、もうすぐ春になろうとしていた。
庭には、早咲きの小さな花がぽつんと咲いている。
あれから巡屋さんがどうなったのか、私は知らない。
連は知っているだろうが、私が聞きたくない。
長い冬の間に、少し色々な事があった。
まず、霧岐屋さんが前のもの...緋色花簪
イズミ草
[第16話]~真実
はーあ、と気だるそうに溜息を吐く、巡屋さん。
その姿には、つい先程までの儚く美しいものは欠片も感じられない。
皆、ごくりと生唾を飲む。
彼女の変りようには、恐怖さえ感じられた。
巡屋さんは、誰に訊かれることもなく独りでに語り出した。
「りんさんの言ったとおりです。布団に寝...緋色花簪
イズミ草
[第15話]~下手人
霧岐屋さんの額に、汗が滲むのがはっきりとわかる。
それでも見つめ続ける私に向ける霧岐屋さんの目は、だんだん怯えたものになって行く。
「みくさんが殺されて七日が経ちました。七日前どのように彼女は殺されたのか。」
「だからって、どうしてあたしの方を向くんです!あたしは何もやっ...緋色花簪
イズミ草
[第14話]~閃く
「下手人の疑いがかかっているんだから、店に出るのは危ないよ。」
と連に言われて私は、今、連の部屋で一人考えを巡らせていた。
連の文机を勝手に借りて、唸る。
何故か書ける達筆っぽい字で、紙にさらさらと今わかっていることを書き連ねる。
下手人の疑いが強いのは、私と霧岐屋さん。...緋色花簪
イズミ草
[第13話]~手掛かり
こんなことがあるのだろうか。
私と霧岐屋さんの簪の全く同じところが欠けているなど。
私は顔をしかめた。
霧岐屋さんとめい子さんは、唖然と簪を見つめている。
「す、少し、事を整理しましょうか。」
あせり口調で連が言う。
「そうですね」とめい子さんが、言って、霧岐屋さんに...緋色花簪
イズミ草
[第12話]~疑い
静まり返った連の部屋。
私と連は目を見開いて、めい子さんの方を見つめる。
「う、そ、でしょう…。」
私が少しぎこちなく笑ってそう言うと、めい子さんは目を伏せた。
それで全てがわかった。
みくさんは、本当に殺されたんだ。
「昨日、反物を持って行ったときは、変りはなかったの...緋色花簪
イズミ草
[第11話]~きっと
いつも通りの平凡な1日だった。
蜩が鳴きはじめた、夕暮れ。
呉服鏡屋は、もう店じまいしようとしていた。
店表に出ていためい子さんが、急に大きな声をあげた。
「みくさん!」
私の隣で品の整理をしていた、連がひょいと顔をあげる。
続いて私もそちらを見る。
そこに立っていた...緋色花簪
イズミ草
[第10話]~笑顔
がらりと開け放った襖の先に居たのは、連と、それに寄り添うみくさんだった。
2人共私の思わぬ登場に、唖然と、口を開いている。
私は、そんなこと気にせず連に近づいて行った。
そして、連の腕をぐいと持ち上げ、みくさんから引き剥がした。
「お届物の反物は、若旦那がお渡ししましたね?...緋色花簪
イズミ草
[第9話]~恋路
なぜだか、りんとめい子が客間から出て行った。
めい子曰く、みくさんが私に話があるようだ。
「めい子が、みくさんが私に話したいことがあると言っておりましたが。」
私は、恐る恐る、目の前にいる彼女に問う。
みくさんは、目を伏せて、言い出しにくそうに話しだす。
「・・・お凛さ...緋色花簪
イズミ草
[第8話]~日和
季節は過ぎて、少しずつ蝉が鳴き始めていた。
鏡屋に来てもう2カ月になるだろうか。
結局、奉公することとなった私は、鏡屋の店先を掃除していた。
空は少し雲はあるが、綺麗に晴れていた。
だいぶ強くなった日差しが、私の肌をさす。
「ふう…。」
と汗をぬぐって、また始める。
そん...緋色花簪
イズミ草
[第7話]~喪失
私は、布団で眠っているお凛をひたすら見つめていた。
「姉さん…?」
呼びかけても返ってくるはずのない反応を、待つ。
とても綺麗な顔だった。
じきに朝だと気づいて、目を開けるのだと信じていた。
小刻みに震える唇を無理矢理動かして、お凛に再び話しかけた。
「姉さん、朝ですよ。...緋色花簪
イズミ草
[第6話]~たったひとりの
姉さんは私の誇りだった。
この町では有名な、呉服鏡屋。
有名な訳は、鏡屋自慢の娘にあった。
働き者で気立てが良く、その上料理の腕も大層なものだった。
当然のように縁談は掃いて捨てるほどあった。
”お凛”だ。
私の二つほど年上の、たったひとりの自慢の姉。...緋色花簪
イズミ草
[第5話]~存在
何処からか、鶯の声が聞こえる。季節なんて気にしてなかったけれど、今は春だった。
丁度、巡屋から鏡屋に戻るところだ。
「本当にお騒がせしました。」
めい子さんが言う言葉に似合わず、頬を染めてかいとさんに言う。
私は、ぺこりと巡屋さんにお辞儀した。
程なくして私と、連と、め...緋色花簪
イズミ草
[第4話]~過去
頭の中が、ざわつく。私は、その場から1歩も動けずにいた。
早く、此処から離れないと、連とめい子さんに気付かれてしまうのに…。
私のほうへとだんだん近づいてくる、2人の足音。
「…りん…。」
連が、私の名前を呟く。
瞬間大きく波打った私の心臓。
「りん…、今の…聞い…」...緋色花簪
イズミ草
[第3話] ~秘密
巡屋から帰った私は、連の部屋で饅頭をかじっていた。
かじりながら、巡屋であったことを思い返していた。
私を噂した奴は、絞め殺してやる、と思った時のあの頭痛。
緋色の簪をくれた時の連のあの複雑な表情。
あの顔を向けられてからは、まともに連の顔が見れていない。
「はあぁ…。」
...緋色花簪
イズミ草
[第2話] ~かんざしや
ああ・・・私はどうして此処に居るんだろう…。
呉服鏡屋へ来て現代の時間では、1週間が経った。
一向にどうして此処へ来たのかを思い出せていない。
「空が綺麗だなあ・・・。」
ひとりで、縁側にちょこんと座って、空を眺めていた。
都会ではまず見ることのできない綺麗な澄み切っ...緋色花簪
イズミ草
[第1話] ~ 出逢う。
目が醒めると、私は見知らぬ場所にいた。床には畳が敷かれ、横には神棚がある。
どうみても私の家ではない。
”ここは、どこだろう・・・?”
それすら思い出せない。でも、自分の名前ぐらいは思い出すことができた。
私の名前は ”鏡音リン”
しかし此処は何処だろう・・・?...緋色花簪
イズミ草
(Aメロ)
面影重ねて 後悔一つ
あの時流した涙に誓いをたてたんだ
(Bメロ)
時なんて越えてみせた
別れなんて
分かってる 隠してる
(サビ)
貴方が好き
逢えない日々が...thank U for U
灰音
「わっちが吉原太夫、ミクでありんす」
華やかな灯り 賑わう吉原
色とりどりの綺麗な着物に
紅くひかれた真紅の紅。
緑の髪を結い終えれば
わっちと床入れする為に
何度も足を運んでくれた
貴方の元へ姿を現す
「今宵もキミは美しい」
青い髪をした貴方は...ミク魁
れーた
今宵の月は儚く、冷めきった孤独な丸い氷柱だった。
桜の花弁が宙を舞う。
「はぁ、はぁ。」
私は桜の花弁が舞い降りてくるのが分かり、止めようとしていた足をそのままに走らせた。
後ろからは何かが追いかけて来る気配がしてきた。だが足を止めるわけにはいかない。
「きゃっ!」
無我夢中に走っていた精...鬼桜
アリス
ここは殿中 俺は老中
今こそ叫ぶよI want you
あの山のEruptionから
空は餓えと怒りで汚され
民は願った「よごれた御世を改めて」
俺は誓った
「清くすめる水」になること
ここは殿中 俺は老中
今こそ叫ぶよmy胸中
弛んだ治世の結末は...殿中老中I want you ~Kan-Sei Devolution~
妙見@猿回しP