ちょっき

ふと寝付きが浅くなり、目が覚めた。さっきまで夢を見ていたような気がするけれど内容が思い出せない。もやもやしながら体を起こすとルカは横にはなっていたけれどしっかり目を開けて携帯電話をいじっていた。
「あ、おはよう。気分はどう？」
「おはよう。悪くないけど寝起きだからあんまりぱっとしないかな」
「そっか...

雨は強さを増し、部屋の窓、壁から雨が空からたたきつけられる音が聞こえる。
その音を聞いていると、家出した事に大きな罪悪感と恐怖と不安と、名前も分からない暗い感情とが渦巻いてきた。
あんまり不安そうな顔をしていたのか、ルカが近づいてきて、わたしの肩を抱いて、中腰になった。
「いいのよ、家出して迷惑かけ...

「おじや、美味しかったです。ねえ、本当にここにいていいの？」
「ごはんまで食べて、今更帰れなんて言わないわ。外だって大雨だし、もう9時になるわ。もうこんな遅くに女の子を外歩かせるわけにいかないじゃないの」
「でも、わたしはここにいていいのか分からないの！」
わたしの叫びがきいんと部屋に木霊する。そし...

それは、ほんの少しの好奇心と、反抗心。ただそれだけ。
「ごめんね、あたし1人暮らしだから、部屋きったなくって。あ、ソファも汚いけどそこに座っててね。はいバスタオル」
「いえ、そんな」
1LDKのアパートの一室。その部屋の主の彼女はちょっと待っててね。そう言って電気をつけた部屋を片付けはじめた。
彼女...

小さな頃に夢を見た
広い広い花畑
君とかごに花を摘み
一緒にちょうを追いかけた
※その夢自体に意味はない
それでも何故か覚えてる
どうして覚えているのかは
私さえも分からない※
親と派手な喧嘩をし
泣き泣き家を出た...