タグ「ファンタジー」のついた投稿作品一覧(10)
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やがて世界は廃れて消えるから
誰も愛さないように生きてきたのに、
君は私のすべてを受け入れて
「魔法使いは凄いね」って笑っていた。
「脆い身体でよく笑えるよなぁ。
君には命の重さとか分からないのかい?」
君は笑顔で図鑑を抱えて
「死んでもいいと思っていた」分からない人間の言葉は
それから君は何度も...アンラスト・スノウ
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ラストタグ
雨が止んだ放課後 傘を忘れて飛び乗った
帰省時刻 烏の鳴く二番線
付箋だらけのノート 開いた儘夢に落ちた
駅に着けば俄雨 傘が無いことに気付いた
そっと 目を閉じて
降りる筈の駅を通り過ぎたら
隣の他人が教科書だ
知らない街灯りが流れ込む
アンダーラインを引いたように...ラストタグ(最後の付箋)
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《何年か果てに地球人らは
「惑星は四角」と言い張ってた
それでも当時は常識だった
「本当」を言えば首を刎ねられた
「本当」が何か知りもせずに宣う
今じゃ四角なんて誰が言うのか?
真偽なんざ
どっちだってよかった「他人事」
知った時に反応すりゃいいと思ってた
劣化してく人類の総許容量には...シュルレアリスム
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遠く君の声 叫ぶ夕暮れに
大きく手を振る 涙の流れ星
汽笛の響く心 思い出を裂かれるような感傷
追憶に刻まれた君の笑顔
君を背にして瞑った涙目を
地上で呼吸をしていても僕等には息苦しい
もしも今の空を満天の星で埋め尽くせたら
幾人が涙を流すのか
大切を失った今地上と空の距離に気付く
何もない心から漏...満天スーサイド
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扇風機を止めてみたら
何故か無音になった僕のココロ
虚無感とは誰も持って
見せない努力で精一杯なんだ
地球の重力に負けそうになる脚
それでも未踏を背にして手を振れ
駆け出した日常がいつか崩れても
この小さなココロは覚えているからってさ
この宇宙みたいには生きられなくても
後悔だけはしたくない馬鹿な僕...部屋の中、ハレー彗星
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前奏が終わる2秒前
何かがヒビ割れた音
消滅五線譜の休符
愛が漏れた無重力
恋情の純情を紡ぎ出す
惑星の後奏に夢現
不思議と浮かぶ涙で
すべて揺らいで非常口
幻想と現実の境界線
どちら側を歩くのかを...転感覚パラリシス
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カラフルな断片に隠されてしまった名前は
幻想的な絵画の様 懐古的な風景画だ
最上階はまだ遠方だが描くにはいいと思うのだった
振動だかで零れた絵の具を伸ばして
無色の模造紙に宇宙的外敵を描いた
到底本物の宇宙には敵わない
惑星を描くには足りない円環
恒星を描くには有り余る暖色クレヨン
渦巻く銀河系のよ...曖昧宇宙空間的名前
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砂利道を駆ける幼い心臓
些細なことで喧嘩して飛び出した
自尊心ではどうにもならないのに
大嫌いだなんて呟いた
愛から逃げて逸れて未来的飛空艇は
過去の逃避と同じように森の奥
森の奥で見つけた謎の機械
現代の技術ではない容姿だった
自制心はもう機能していなくて
可笑しな物語が明けるんだ...Time Releap
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片隅で泣いていた ボロボロなこの僕に
霄を見せてくれた君へ
飛べない鳥のような
僕にたった一言
その声に酷く泣いた夜明け
欠けた心を隠せなくて
君の笑顔を浮かべて眠る
霄に虹を描く夢を見たとして
覚めたとして
それが幻像だって誰が決めたのさ...霄‐oozola‐
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眠りから今目が覚めた 夢だったと窓の鳥は言う
「いつか夢で生きてみたい」 心拍数と電子音
目を閉じた 猫がいた 扉の鍵咥えて
夜を背に いつもの夢 鳥は私へと鳴く
時間なんて忘れてもいい 待合室で君は笑ってる
患っていた怪我も夢では 雪に溶けるように消えてしまった
鳥が夜の終わりを告げ 閉じてく扉は...耽溺ファンタジア