また、明日

静かに重ねた　指先から
想いを汲めたのなら、よかったのに
なんにも言わないまま　言えないまま
知らないフリをしていたんだ
エンドロールをただ、眺めてる

ディープシー・ジェリーフィッシュ

A.
深い海、沈む。　呼吸も忘れて
青白い月が　まぶたで滲んだ
浅い夢、泳ぐ。　鼓動を早めて
ただ白い泡に　なりたかったんだ

パルプ・ナイト

A.
代わりがいるなら すぐにでも
君を置いて 行けるのに
手放せないのを 知っていて
僕のココロ 掻き乱す

スペル

A.
思い出すには　切なすぎて
その輪郭も　ぼやけたまま
思い出せない　刹那、過ぎて
その選択を　延ばしたまま

ショート・ショート

ずっと、こんな風に　笑い合っていようぜ
そんな　当たり前を　分ち合っていこうぜ
穏やかに　暮らせたら
何よりも　良いのに
穏やかに　暮らすほど

ドラマティカ

A.
ガラクタ積み上げて 摘み取る罪の花
明日には忘れてく 秘密を心にしまう
B.
訪れる夜明けの光を

ハナビエ

A.
こぼれ出す雨に　濡れてしまわないように
そっと傘を差す　そっと手を伸ばす
春風が過ぎる　私の髪を乱して
そっと目を閉じる　そっと目を閉じる

あのね、

A.
困ったことに　惹かれているよ
笑った顔が　気になって
参ったほどに　惹かれているよ
色んなことを　教えてよ

ルナルナ

A.
君がつく嘘など　見え透いたまやかし
触れてしまえば　消えてゆくのに
冷静さ装う　その顔のウラ側
告げる声など　枯れてしまった

モラトリアム

A.
何も　変わらぬ世界の隅には
僕らを証明するものなど　残ってはいないようだ
B.
悲しみも　いつかは消える　ソラゴト

バニラ

A.
ねぇ、君が笑うたびに心少し黒くなる
いつか　きっと　こんな日々も　消えて　泡になるばかり
B．
寄せる　岸辺さえない　漂う雲　眺めた

アザレア

A.
夢を見たのは4月の頃　溺れるように焦がれていた
知らないままでいられたらな　思い返せばなにもない
B.
12時のベルが鳴った

774,2aｎ

A.
気付いたらまた、この季節
早いモンだね、年のせい？
うつつ抜かして　恋、口舌(くぜつ)
苦いコーヒー僕のせい

夜明け前

A．
私は凍えて　いつも震えていた
冷たい闇夜に　いつも怯えていた
聞きたい声だけ　聞けたら良いのにな
聞きたい時ほど　聞こえない天邪鬼

ドロウズ

A.
面影ゆらゆら　浮かんでは消えてく
「飛んでるようだね」　君は笑って言う
うたたねふわふわ　描いては消えてく
スケッチブックを　塗りつぶすユートピア

カフェ・ド・なんちゃら

A.
コーヒーショップの　前を通ったら
コーヒーちょっとさ　飲みたくなったよ
B．
飲み残し　飲み比べ