最近の投稿作品 (45)
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スノウケイク_歌詞
今日は何かの記念日
彼方此方で配られているお菓子
ペローに出てくるみたいな頭巾で
「おひとついかが?」なんてね。
何のために祝うのか皆
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狼被り
馬鹿な狼のー。
僕は異端者さ
爪も牙も恐ろしく濡れ輝いているが
中身はただの臆病生肉
草を食む姿がお似合い
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オンボロバス
夜明け
ムクドリの群れ
やけにバスは揺れている
錆びたペグのギター
読みかけの本
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途轍もない恐怖
ジャムを煮る音が下から聴こえた
だけど芳香は漂ってこない
屋根裏で独り 膝を立てて
今日の晩御飯なんだろうと
窓の外を見た
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ナイフ・フォーク・スプーン
うろんなディナーに招かれた
客は疎らで 薄暗い店
席について 指を鳴らすと
醜くて 良い匂いのする料理が
運ばれてきたのだ
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名前を付ける仕事
健全な体があるのに
開けっ放しの蛇口は絞めたくなるのに
どうしてだろう
絶望している
寂しげな話題は避けたのに
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レアリテ
全てを知れる 何も解らず
一人に世界は ひとつだけ
全てを繋ぐ 切れやすい糸
世界に一人は ひとつだけ
光る窓が囁く
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まどろみのうた
寝台はもう
折れてしまった
君の夢の重みで
時計は怒鳴る
怯えるように
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星採り網
辺境の街 クラッカーの音
少年の担ぐ 箱は増えた
雨垂れの光 指差しで確認
蝶番弾き 日帰りの冒険
カブトムシ 追って見つけた