夜明け 
ムクドリの群れ
やけにバスは揺れている

錆びたペグのギター
読みかけの本
荷物が多すぎたな

不意に美しいと感じて
過ぎゆく景色に焦る

未だ何も撮っていないカメラ
取り出して構える

やめておけばいいのに
いつも行く末の知れた寄り道ばかり

憂う未来を引き寄せて
無様なピントで切り取った

旅の終着点は、選ぶことができるよ
「もういいや止めようかな」
そんな想いが浮かんで沈むよ

シートを浅く起こした。

苦しそうに軋んだ。

ここに僕を知る者など居ないだろう
それは自由と同義さ

止まない鼓動
オンボロの器が何処までも運んでいく

旅の終着点は選べないこともあるよ
「選んだ」と言えるようになれたらなぁ
「もういいや帰ろうかな」
そんな想いは沈めたよ

朝焼け 
草原のガゼル
導くように目を合わせた

シートから離れた。

その景色の中に居た。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

オンボロバス

閲覧数:326

投稿日:2016/05/15 18:57:25

文字数:384文字

カテゴリ:歌詞

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