咲宮繿

愛の天秤　皿には目一杯のIを
絶対こぼれないように　逆さまになるの
さあ空の皿に乗せて　あなたの愛
揺れる鎖は軋んで鳴るけど
少しずつなんてけちらないでよ
こんなもんじゃあたしは浮かない
深い深い皿にはまだまだ入るの
いっそあなたごと入っても　いいんだからね
欲張りな女神は剣を突きつけて求める
「罪...

踊れ踊れ　緋色の靴で
踊れ踊れ　血色の靴で
染まり焦がれて焼け死ぬ為に
贈られるその　赤い靴
一人目は貧しい少女だった
靴の鳴らすその音色
足を彩る鮮やかな真紅に
少女の心は虜になった
その靴を履くたびに踏みにじられた
優しい心は傷を負い...

真っ赤な紅茶を淹れましょう
メイドも兵士も一人も居ない
静かな静かな赤いお城
庭に咲き誇った真紅の薔薇が
ぽとりと一輪地面に落ちた
女王の自慢の赤い薔薇園
彼女はそこで紅茶を飲むの
だけど一人はつまらない
ああ　お客様？いらっしゃい
一緒に紅茶を飲みましょう...

いかれたお茶会
狂ったホスト
壊れかけた茶器
焦げたお菓子で
お話するのは
おかしな客人
さぁ
今日はどんな話をしようか？
そこへ通りかかった
一人の少女...

「ピエロの風船はいかが？」
差し出す手には色とりどりな風船
差し出すピエロは滑稽な服にメイクで
何もかもがちぐはぐ
そうここは夢の中
賑やかなパレードで彩られた
虚飾の世界
「ピエロの風船はいかが？」
おどけた声が尋ねる
風船はふわふわと風に揺れる...

【レン】
僕らは双子(ツインズ)、二人で一つ。
生まれる前に引き裂かれて
その痛みを抱きながら
この世に同時に生まれたんだ
きっとそれは神様が
大切な「君」と巡り逢わせる為に
与えてくれた　哀しい幸福(しあわせ)
どこに行くにも　手を繋ごう
どんな痛みも　共に受けよう...

　朝、寒くて目を覚ました。
　ベッドから起きてカーテンを開けると、隣の家の屋根が真っ白。
　驚いて、隣のベッドで寝ていたレンを起こす。
「レン、レン！起きて！」
「ん…何だよリン…まだ早いじゃんか…」
　一体どうしたのかと眠そうにしながらも起きるレンに、リンは笑顔で窓を指差す。
「見て！雪が降ったの...

＜ココロの力、キセキの音＞
　――それはまさしく、『奇跡』。
　あの瞬間、私にココロが生まれた。
「おはよう」
　オハヨウゴザイマス、と私は返した。
　彼のように滑らかな声では無い。
　だけど彼は笑顔で私の頭を撫でた。
「初めまして。君の名前はリンだ」
「リン」
　繰り返す。リン。私は、リン。...

大　好　き
初めて見てから　時間が経って
最初の頃より　好きになったの
とても綺麗な黒い髪
私に語りかける　落ち着いた声
あなたの傍に居られるのは　私だけの特権よ
親友でさえも許してないわ　気安く触れないで
私よりもその子に笑顔を向けるなんて
二人きりになんてさせてあげないんだから
いつも私　見てい...

目の前に大きな金の鳥かご
私がここへ入れるのは貴方
鎖で繋いで鍵をかけて
ずっと私だけを見ているようにするの
だからいつも綺麗にしておくわ
花をあちこちに飾って
羽毛の入ったクッションに温かいカーペット
柔らかなベッドと美味しい食事
ね…？ とっても快適でしょ？
一目見てから ずぅっと欲しかったの...