sizuki-kurone522の投稿作品一覧
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最終章
あれから、24年の月日が経っていた。私はベッドで横になりながら、…「…はーくん?ごめん…気持ち悪い…」と彼へと伝え、…「うん…吐いて良いよ」と桶に胃液を吐き出していた。私の病気が判明したのは半年前だ。要は癌、である。それと共に私は余命宣告を受けていた。最期は家で過ごしたい旨を伝え...最期の夜月
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第四十七章
あれから、3週間は経った今日なのだが彼は翌日にバイトを辞める事になり、お給料を全て私へと渡してくれた。契約も私へと変更して貰い無事引っ越しも済み、私はリモートワークへと切り替わっていた。彼は直ぐにこの辺りのバイトを始め、働いていた。丁度1週間程前に彼から告白を受け、彼と私は付き合...最期の夜月
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第四十六章
リビングへと来ていた肇さんはまだぼんやりとしている様に見えた。…「肇さん?今日凄い疲れちゃったよね」と声を掛けた。…「…うん」…「色々と頑張ったね、凄いよ、しっかり契約も出来ていたし」…「ほんと?」と聞く彼に笑顔で…「うん」と、答えた。ケトルで沸かしていたお湯も温まって来た様で...最期の夜月
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第四十五章
寝室へと入るなり、彼はすっかり眠ってしまっている様だった。すやすやと眠っている彼の腕の包帯に目が行った私は、少し一緒に横になろうと思い、仕事着から部屋着へと着替え、私の方を向いて寝ている彼に向き合う様に横になった次第だ。彼の腕へと手を添え、ゆっくりと摩った。…ゆっくり大事に...最期の夜月
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第四十四章
部屋へと戻った彼と私は、…「いつから入居できるんだろうね」と楽し気に笑う彼に、…「そうだね、早目に入居したいね」と不思議と私を笑顔にしてしまう彼だ。…良かった…いつも通りの彼に戻ってる…と安心した私がいた。…「肇さん?ちょっと辛い事かも知れないけど、バイトの事聞いても良いかな?...最期の夜月
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第四十三章
すっかりと夜も更けて来た頃、少し肌寒くなって来た様に感じた私は…「肇さん?帰ろうか」と声を掛けた。…「うん…」そう答えてくれる彼の手は少し震えていた。…ここからだと1時間程は掛かるであろう場所へと来てしまった。…「肇さん?寒いかな?」…「ううん…大丈夫…」そう言って彼は私の手か...最期の夜月
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第四十二章
海沿いでも寄りながら帰ろう…そう思った私は大分遠回りにはなるが、海沿いへと車を走らせる事にした。ほんの少し窓を開けていた事もあって、潮の香りがする。少しだけ波の音でも聞こう…そう思った私は車を停める事にした。波の音が心地良い…そう思い私は車を降り、防波堤へと上り煙草に火を点けた...最期の夜月
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第四十一章
不動産へと入るなり肇さんは担当の方と談笑している様に見えたが、とてもいつも通りの明るい笑顔とは程遠い笑みを携えている様にも見えた。彼は直ぐに私が来た事に気付き、「美月さん!おかえり」と声を掛けてくれた。通常とは全く違う笑顔に私は、担当の方に、…「すみません、今迄のお話とこれから話...最期の夜月
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第四十章
5日先の仕事へと取り掛かっていた頃、肇さんから連絡が来ていた。「美月さん、お疲れ様」私はすぐに携帯へと目を移し「お疲れ様、どこか良い物件あったかな?」「うん、凄く綺麗な部屋見付ける事が出来てね、僕ここが良いと思って…契約しちゃっても大丈夫かな?」「勿論、大丈夫だよ」時刻は16時...最期の夜月
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第三十九章
仕事へと集中し始めて1時間程経っただろうか…肇さんからの連絡は無く、私の中で何故か不安が過り、彼へと連絡をしてみる事にした。「肇さん?連絡ないけど、大丈夫?」と送ると、すぐに返事は返って来た。「美月さん…あいつ…奏汰がバイト先に来て…やり直したいって…」…「僕、凄く嫌だ…」...最期の夜月
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第三十八章
彼の作ってくれたお弁当はとても優しい味がしていた。…「すっごい美味しいよ、肇さん」と彼へと伝えると彼はとても嬉しそうな声のトーンで「ほんと!?」と聞き返していた。…「うん、ほんと」私も素直に彼へと返事をし、…「あ、そだ肇さん?あのね、在宅ワークがもしかしたら5日位で準備出来るか...最期の夜月
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第三十七章
仕事モードへと移った私は、早目早目の仕事を淡々とこなして行った。3日程先の仕事をこなしている時に肇さんから連絡が入っていた。…「美月さん、お疲れ様!さっきね、虹を見かけたんだ!見て!」と写メ迄撮ってくれている彼からの連絡に、ちょっと休憩しよう…と私は携帯へと目を移し、彼からのメ...最期の夜月
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第三十六章
大分落ち着きを取り戻したような彼は、…「あ、ご、ごめんなさい…美月さんお仕事…」と涙を拭きながらそう言っていた。…「大丈夫よ、私の職場は割と融通が利くからね」と伝え、彼に…「そろそろ私は仕事に向かっても大丈夫そう?」と尋ねると、美しい顔で笑う「いつも」の彼がいた。…「じゃあ、後1...最期の夜月
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第三十五章
「ご馳走様」と二人して食事を採り終えた後、私はカレー皿をキッチンへと持って行こうと席を立った所で、彼に…「僕が後はやっとく!美月さんお仕事の準備あるでしょ?」と何とも気の利く彼に対し、…「ありがとう、肇さん」と彼の言葉に甘えさせて貰った。私は…「それじゃあ、軽くメイクでもして...最期の夜月
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第三十四章
…「頂きます」そう二人で手を合わせ、食事を採る事にした私達だ。…「すっごい美味しいね」彼は少しばかり照れたように、にこやかに笑う。…「でしょ?」とお道化た様に笑う彼は相も変わらず、美しい顔をしていた。私は彼に…「肇さん?美味しい食事の時にごめんね?カッターは預からせ...最期の夜月
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第三十三章
カフェオレと煙草、そして肇さんを堪能した私は、…「美味しかった、ご馳走様」と彼へと告げた。…「美月さんのお口に合って良かった」と相変わらず爽やかに笑う。
…「ありがとう、私洗顔と歯磨きしてくるね」そう伝えると彼は…「はぁい」と返事をしてくれた。マグカップをキッチンへと持って行き、私...最期の夜月
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第三十二章
翌日私が起きる頃、彼は既にベッドに居なかった。まだ眠たい思考に目を擦りながら、近くにあった煙草へと手を伸ばした。…肇さん…起きてるのかな…とまだ起きない思考で考えを巡らせる。…あぁ…煙草が美味しい…と考えに耽りつつある中、トントントンと音が聞こえて来た。…?…包丁の音…?肇さん…料...最期の夜月
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第三十一章
食事は採れなかったが、身体が疲れていたのだろう…彼はうとうととし始め、…「肇さん?そろそろ眠ろうか?」と尋ねた。…「美月さん、今日も一緒に眠ってくれるの…?」と目を擦りながら聞く彼に…「うん」と私は答えた。…「…今日は美月さんの方向いて寝ても…良い?」と聞く彼に対し、…「大丈夫...最期の夜月
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第三十章
私は彼に…「肇さん?食事は採れそうかな?」と尋ねた。…彼は軽く咥え煙草をし、どこかしらの世界へと行っている様に見えた。…「肇さん?」と私は彼を呼ぶと、…「あ、すいません…ボーッとしちゃってた…」と言っていた。…「うん、大丈夫よ」と私は返事をし、…「肇さんは今お腹空いてる?」と言い方...最期の夜月
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第二十九章
…「肇さん、良かったらだけど自傷した所見せてくれる…?」と私は彼へと声を掛けた。…「…は、はい…」と彼も長Tを着ていた為、気が付かなかった私だ。彼は腕捲りをし、私へと傷を見せてくれた。広い範囲に掛けて血の滲む腕を見て、私は…「兎に角、手当しよう」と切り出した。…「すいません…僕…...最期の夜月
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第二十八章
…本当に帰って来てくれた…とても安心感のある時間だった。私は彼が風呂へと入っている間、とても煙草が美味しいと感じていた。…肇さんが来てくれてからずっと煙草美味しいな…と感じざるを得ない時間を過ごしている様にも感じる。…肇さんが優しいからだろうか…そんな風にも感じる日々だ。煙草...最期の夜月
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第二十七章
一緒にアイスを選びながら、…「これから段々暑い日も増えるんだろうね」と私は彼へと話し掛けていた。…「そうだね、美月さんは暑い季節好き?」と問われ、…「うーん、私は冬が好きかなぁ」と答えていた。…「へぇ、そうなんだね」と柔らかい表情で笑う彼がいた。…「肇さんは?どの季節が好き?」と...最期の夜月
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第二十六章
歩いて10分程のスーパーへと向かった私はハヤシライスの具材やら米を買い込んだ。米は5kg程の物を選んだ。いつもは買わない量の米だ。少しばかり重いかなとも思ったのだが、割とすんなりと持てた私に驚いた。なんだかんだでスーパーをうろうろしていた為、時刻は15時を廻ろうとしている時刻だ...最期の夜月
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第二十五章
…「美月さん、それじゃあ僕バイトの支度しちゃうね」…「うん、分かった」と軽く言葉を交わしながら、彼はいそいそとバイトの支度をし始めた。…邪魔しちゃ悪いな、と思った私は、煙草へと火を点け彼をそっと見守る事にした。…「ちょっと着替えて来るね」と言った彼は寝室へと向かい、着替えを...最期の夜月
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第二十四章
…「おぉ!すっごい美味しい!」私は思わず声を上げてしまった次第だ。とてもあっさりとした味のするオムライスだ。…「んね?美味しいでしょ?」と彼は笑っていた。…「うん!肇さん天才!」と私も笑った。…「そんなそんな、でも嬉しいです!」と初めての食事にしては珍しい物を食べさせて貰った。時刻...最期の夜月
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第二十三章
彼はケチャップライスにシーチキンを入れ、水分を飛ばすかの様に炒めていた。ある程度パラつき始めたお米が出来上がり、一旦ケチャップライスを取り出した。その後、卵を炒めるのかと思いきや、卵に彼は昆布だしを入れ少し味見するように手の甲へと卵を少し垂らし、…「うん!」と自分の中で納得した...最期の夜月
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第二十二章
…「美月さんはオムライスケチャップ派?それとも醤油派?」唐突に聞かれた事に、…「あはは…いきなりだね、んー私はケチャップ派かなぁ」と笑いながら答えると、…「僕と一緒だぁ!」と嬉し気に笑う彼に何だか安堵感を覚える。…「でもオムライスに醤油派っているの?」と笑いながらも聞いてみる事...最期の夜月
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第二十一章
彼の洗顔と歯磨きが終わる迄の時間、私はキッチンへと向かいテーブルにある煙草とライターを手にしていた。…肇さんお手製のオムライスかぁ…楽しみだなぁ…と煙草へと火を点けた。…どんなオムライス作ってくれるんだろ…と楽しみにしている私が居た。…「美月さーん、洗顔終わったよー!」とぼん...最期の夜月
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第二十章
彼は一つ一つ確認を取る様に、…「美月さんはお砂糖なしのカフェオレが好きだったよね?」と聞く。…「そう、ありがとね」と温かな時間が流れる。私は少しづつ起きて来た思考で…「肇さんも自分のコーヒー作りなよ?」と彼へと伝えると、…「わぁ、ありがとう」と嬉しそうに答えていた。…「うん、一...最期の夜月
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第十九章
私が目を覚ましたのは8時を少し過ぎた辺りだった。…取り敢えず、煙草…とベッドの脇に置いてある煙草とライターと灰皿を手にした私は横になった儘煙草を咥え、火を点けた。…美味しいな…とぼーっと天井を眺めつつ呼吸を深くした。…あれ?そういえば肇さんがいないや…まだ頭の回転が鈍い儘、…もう...最期の夜月