麦茶が温い 車窓から見える景色は
まるでまだ知らない街々が木漏れ日の中にある
アゴタ・クリストフの小説
ぼくらは拙い語彙で異国の言葉を真似た
イマジナリーフレンドが耳元で喋っている
無力なことは痛いほど知っている
高尚なふりして自己憐憫を愛しているだけ
遠くへ行った すべてがまだ眩しくて
上手に笑うふりも出来ないで
背中の向こうで死神が時計を見ている
ただ刻一刻と進む それに追われている
まだ何も手にしていないが
何もかもを手にしたいわけでもないんだ
ただささやかな幸福だけが欲しかった
捨て去ったつもりのものから手紙が来る
愛されていないつもりで 愛されているのも分かっている
吐瀉物混じりの嫌悪と希死念慮に油をまけ
それに火を点けて燃やしたら まだ動けるかな
自分のことは自分が一番分かっているだろう
今が苦しくても 多分、大丈夫だと思っているだろう
それでも身動きの取れないほどの苦しみを睨んでいる
灯りを手繰って 灯りを手繰って
自分のことは自分が一番分かっているだろう
今が苦しくても 多分、大丈夫だと思っているだろう
それでも翌朝もアラームの音で起き上がると知っている
灯りを手繰って 灯りを手繰って
自分のことは自分が一番分かっているだろう
今が苦しくても 多分、大丈夫だと思っているだろう
それでも身動きの取れないほどの苦しみを睨んでいる
灯りを手繰って 灯りを手繰って その向こうへ歩いている
灯りを手繰って
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