趣味で時々詩を書きます
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ザラメみたいな記憶の断片を握る
色もぼやけて、まともに思い出せないし
どれだけの言葉が通り過ぎて 遠くに行っただろう
いつだって向けられている感情には無関心で
夏になったら思い出す匂い 雨が降ると心地良いのにな
寒い季節に思い出すマフラー その距離の温かさごと憶えているよ
ありったけの語彙を詰め込め...ニューサマーオレンジ
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文庫になって持ち運べるようになった
いつまでも忘れないような憧憬の仕方
刊行もされなくなった 物語でもいつか
誰かに見つけてもらえるような 夢をみた
ぼくだけの物差しで
どんなページをめくれるだろう
革命を叫んだ あの子は忘れられてしまった
アンデルセンのような童話のなかで
それでも 火傷のように残...栞
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希死念慮は日々増していく 土留色の瞳で呼吸をする少年
電車の車窓から流れる いつも通りのパノラマと刻一刻
モーターサイクルで続いていく オートマの生命は
喧騒と静寂の狭間で意味だけを置いて行く 敬具
拝啓 それでも明日を迎えます 窓際の席でヘッドホンの少年
誰かを模した長い前髪は 世界を直視しない為...追伸。透明少年
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神宝町の坂道 宝泉寺通りから降りる夜に
今日の痛みを背負うように 全て引き摺って歩いた
絵本の中の羊は 狼っていう友達に出会えたんだ
花に嵐の喩えもあるが 春は散っていくものさ
冬のマフラー きみの横顔を憶えている
バス停前の会話は もうずっと失っている
出逢えていた言葉は記憶に拐われて
美化したま...花に冠、嵐の夜に狼と羊
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雨漏りみたいな夢の残滓を
抱き締めて 眠っていたら
日記をめくるみたいに あの日々を思い出す
仏壇の変わらない笑顔も
傷だらけの膝小僧みたいな 街の境界
雨樋を滑るように 滴る雫が
いつか感情に穴を空けて
忘れてしまったこと どれだけあるだろう
どれだけ失くさないでいるだろう
沸騰しそうな鍋の音 冬...阿佐ヶ谷ロンリープラネット
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ふつうの子は恋をした 風邪の病熱に浮かされるように
ダンゴムシよりも くるまっている心をかくして
環境汚染を憂いて 夏の暑さを恨んでいるんだ
いつかの口パクの答えは ぐるぐる 知恵の輪の中
衒学趣味の文学
小栗虫太郎は非ユークリッド
溺れるように 世界に浸って
どこかへ逃げよう
引用はサンプリング ...ペダントリー
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もしも明日 世界が終わるとして
こんな偏頭痛が起きない 明日だったら
三月の雪を少しだけ はやく抱き寄せて
四月の嘘ごと降り積もれば良い
誰かのための きみの 産まれた意味も
まっさらになる朝を見たよ
下手くそな歌を 歌うように震える
知らない感情の輪郭を たしかに、なぞる
明後日は何処へ行こう? ...クリスマスキャロル
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ぼくは嘘つきです
苦悩は曇ったまま 煩悶
頭の中の出来事は 本当じゃないって分かるのに
ぼくの友達はきみくらい
大切にしたいのにな
どうして 傷付けてばかりで 午後の鐘が鳴る
このスピードで歩いて行くには
あの信号の
点滅を待たなきゃ行けない 足踏みをしている
このスピードで歩いて行くために...杉森くんに話すなら
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寝起きに肩を伸ばした後
バイトに向かう為に顔を洗って
「今日は怒られなきゃ、それでいいよ」とか
今晩のご飯どうしようとか考えている
ドクターペッパーの甘さは たまに胃に来る
炭酸が得意じゃない振りをして
そんな自分の甘さも胃に来るような
上手いこと言ったつもりで したり顔をした
自転する地球の丸さの...自転するZ
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不在票の貼られた荷物
いくつもの物語に区切りが付く
電車に乗った加藤君
君の明日は その車窓から、どう映ったろう?
いくつものサヨナラがあったろう
不在票の貼られた記憶を手繰り
瞼を閉じれば 思い出すこと
瞼を閉じれば 思い出す匂い
プルーストの言う通り
何処かで始まった戦争も...失われたYをもとめて
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幸せの青い鳥 二つの眼じゃ捉えられない
思考感情が溢れて 争点を見失って行く
妖精はついぞ現れなくて 帽子の無いチルチル
夜明けの光に追われて ミチルとはぐれたのか
何が正しいのかも分からずに
いくつも宇宙は拡がっていく
インフレしていく世界の輪郭に
迷子のまま触れようとして
ハローグッバイを繰り返...sister
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そよ風と白詰草に 物語の予感がした
不格好なスニーカーで駆け出して この季節をハグする為に向かうんだ
正午を知らせる鐘は誰が為に鳴るのだろう
頬についたままの食べ残しも気付かないで しびれを切らして立ち上がるんだ
出会ったものと同じぐらいに
なにを失って来たんだろう
地平線の果てで飛行機雲が揺らめい...Golden Globe
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蛇遣い座の綺麗な夜だ
全ては無意味でしたか
「生まれて初めて、誰かを嫌いになった」
その感情が無意味にならんように
綺麗に梱包して運んで 未来に言葉にしようよ
虹を解体しようぜ
その終わりに なにかを捜せるように
雨と枝垂れ桜に
あの星が降る様なエスポワール
明日はどんな天気かね...不在票
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宛て書きだったはずの言葉の破片を
宙へ放り投げ捨てた 幾億秒も前の話
星座になれたら それでいいな、だなんて
遺言めいた台詞を吐き捨てたって
明日のバイトも休めない
あのひとは偉大なサン=テクジュペリ
才に悩むと書いて 読んで また書いて
気休めにもならない事しか浮かばなくなって
言いたい事もなくな...夜間飛行
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ラジオから流れた歌とハモって 漫画のような明日を夢見て
ページをめくっても やってくる明日は 味気のない扉絵だった
裸で銃を持って構えるように 無防備な心で生きてたんだ
鏡を見て 林檎を食べて はじめて知った見窄らしさ
でもね オモチャの車から降りないまま
行きたいんだ あのハイウェイの向こうの景色...世界はきみが思うより
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北斗七星をなぞる指と
春に見た天元 睨んでいた
放っておいたら 流しっぱなしのユーロビート
次の曲に繋ぐプレイリスト
魁星が空を眩しく貫いた
歴史の教科書の偉人に落書きをしていた
まだ僕が生まれてきた理由も知らんで
眠れなくて深夜に自転車を漕いで走った
やがて明けていくように 空も白んで
薄ぼんやり...そしてバトンは渡された