趣味で時々詩を書きます
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一人称で綴ることが 僕の人生の作法らしい
別に誰かに云われたわけじゃない
錠剤を焼酎で割る落語家に憧れていた
それも もう5年ぐらい前の話
太宰でも カート・コバーンでも無いけど
日々の独白をファソラシで歌い出して良い
未払いの国保と安月給のブービー
マーロウは猫を追った アルトマンの映画
物語に出...敗残兵Rの追憶
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新作のゲーム 夏休み前のパッケージ
夜通しのレポート
書き掛け途中の理論武装
手を付け忘れていた課題を思い出した
問文もなにもかも忘れた この頭で
忘れられないのは、あなたの顔とか
雨の日の別れの言葉とか
旧作のゲーム 多重セーブのデータ
上書きできないのは現実と同じでしょうか
安易な喩えじゃ答えに...問い、つまりQ
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副詞の使い方は 文の主節に対応して成ります
腹式呼吸は 心臓の下ら辺に力を入れる
敗残兵の今日 タクシーに乗り込んで運ぶだけ
ポルノ映画を見る 容易く溶けるような生き方で
ナイト・オン・ザ・プラネット
ウィノナ・ライダーに恋した僕らは
夜に運ばれて行くんだろう
スピンオフを繋ぎ合わせたシーンで
たっ...Pは廻る
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さよなら黄金郷
見果てぬ地平に途方も暮れるだろう
誤謬塗れの書き残しと
他愛もない宛て書きの手紙
瓦解する一九八四
幽霊を名乗るウィンストン・スミスと
差し出された林檎の半分こ
罪も罰も分け合いましょう
愛ってなんだろうって想うたび
輪(まわ)るサイクル 置いてかれそうになるのだ...或るO国の記録
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瞳を閉じれば今も思い出せる
雪が降り積もる駐車場を
潰れた本屋 近所の創作料理屋
美容外科になったゲームショップも
通学路のおばけの長屋
交通事故に遭った あの横断歩道
分かっているんだ 都会の喧騒の端っこの
やけに静かなこの街の 呼吸のリズムを
映画を見て思い馳せる 他人の人生も良い
映画にならな...まっさらなNの街で
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秋が来ること まだ飲み込めないが
人工衛星を見上げていた
季節毎の香りが 折々を思い出させること
歌姫が歌った それが鳴いている
バッハのピアノと
愛を騙る様なプロレの流行歌
生まれて来た俺の肖像と
醜く果てた現在地の座標の距離を
苦し紛れで批評するような
そんなことしたって 何の意味もないぜ...Mの肖像
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行間に群像 青い熱れの途中
造花に水をやる それぐらいの道半ばさ
文脈はひどく滑稽
ともあれ俺が描いた承認だ
年老いていく 年老いて
熱情が花々と咲く
さよなら、もまた会おうぜも
美しいままで記憶になる
夕刊に流れていく悲報
分からないまま水に流されていく...Lへの回帰
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海に沈んだ人魚は 珈琲の角砂糖の様に
体積が溶けていくだろう
あぶくだけ残して ぱっと消える
三角レンズの向こうの風景
集合写真の顰めっ面の 我々もきっとそうだろう
青い春に融解していく
将来の夢は 明日の予定は
何処へ向かうんだろう
田園都市の夕焼け 嘘じゃない飛空挺が見えた気がした
名探偵は導け...シュガーバレットも嘘じゃない
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おれの神様 積読の中の書籍の一匙さ
偶然みたいな行間の台詞に惹かれた
もう忘れた文字の羅列だって 救われた気がして縋ってんだって
他愛無い生活のあくびみたいな一瞬に馳せてら
ああ おれもジョンストンになれたら
数分後には眠りについている事でしょう
恙無い今日の憂鬱も
五時半のココア リビングのテレビ...ダニエル・ジョンストンをさがして
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昨日、あの子が自殺をしたのは
こんな世界の どんな社会の法律やらのせいになるかな
明日の天気はどんな風になるかな
夜明けには変わってしまうんだろう
誰が正しいとか ちゃんとした言葉、礼儀作法も
そよぐ風のように 軽やかに生きたくて
呼吸が浅い分、分かった 夢を夢のまま抱き締めること
なんてね
遠く聞...なんてね
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頭上の見上げた星を きっとまだ憶えている
大泥棒が盗んだ 心臓の中の灯り
もう見えないって知っている
もう会えないって分かってる
あの年のクリスマスは綺麗な雪が降っていた
幽霊になった想いはバルーンになって
空の向こうへ浮かんで行った
やがて雨になって夏の兆しを知らせた
匂いだけで思い出す事
匂いご...タオルケットにくるまって
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「明日には私、故郷に帰るの」
って、宇宙人の君は悲しそうに言った
中途半端に起承転のある
僕らの日々は退屈さに満ちていた けど、
途中まで書いたままのプロットには
整合性の無い感情ばかり連ねてある ナラタージュ
バナナフィッシュの浜辺で不条理な夢を見ていた
さよーなら、どうせなら不格好に幸福を祈って...かぐや
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唱える様に あのレフトフライを見る
闇夜の灯りが描いた 燃え尽きる為のアーチの事
大丈夫 君のそれは祈りとなる
それが叶わなくたって 叶ったって
その途方もない先で息を吸うだろう
ファニーゲームが名作だみたいな話はいい加減飽きたぜ
今日の報道もやはり不条理
チャップリンの独裁者もいよいよ冗談じゃなく...グッド・ラック
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遠い国で戦争が起こっているらしい
気圧で神経が壊れそうになっている
梅雨時季の香りが記憶に紛れ込んでいる
思い出すのはいつも 蓋然性の無いシーンの連なり
体系的じゃないまま
教養とやら身に付いていく
大人になるよ
魂に反比例した肉体の重さで
引力に逆らおう
ひたむきに生きることが...記録的豪雨の日
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甘ったるくて癖のあるドクターペッパーのせいでなんだか
初夏の匂いを感じた リアム・ギャラガーの歌
遠い昔にすれ違ったお前の顔を覚えている
もうどれだけ年老いても忘れないような 気がしている
手を伸ばしても何だか 遠退くばかりの
その辺に転がってそうな夢の話など
不幸比べの末に表彰された煩悶の
足元に...無人探査機Kからの信号
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歌おう 肺の底から
痛む脚を引き摺って
征こう 忘れ去られた
彼女が生きた この地を
三日月の夜は 什麽生ね
切羽詰まった百億光年
途方も無い、この海路で
零ではない 空白を埋めるように
不安定な呼吸のリズムで
息を継ぐ、不器用にも...座標Jにおける歌姫について