どんな顔かさえ知らない 誰かの愛憎劇(スキャンダル)
痴話ゲンカを肴にして 野次馬が今日もクダを巻く
眉ひそめ ふと漏らすため息のその裏で
自分には無関係 その事実(こと)に安堵する

かなうことのない想いに 身を焦がすひとたち
でもその眼が見ているのは 愛じゃなくただの勘違い
一瞬の衝動を 永遠と思い込み
鼻息で足元も見えぬまま 突っ走る

自分の胸 痛まなきゃ
誰かが姿消したって Nothing matter

 人さまのフシアワセ 嘆くように見せかけて
 そう 僕は幸せと そっと胸なでおろす
 ザラついた舌先で舐める蜜 その味は
 この上もなく甘い 醜悪なカタルシス


生きてたいと願いながら 消えてゆく生命(いのち)を
50インチの画面越し 見るともなくただ眺めてる
壊された日常は 全米が泣くような
安っぽい映画とは まるっきり違うのに

感動の美名を借りた 平積みの悲しみ
手垢まみれになる前に 明日(あす)はもう忘却の彼方
お手軽に泣くために 余りある他人事を
我が事に置き換える フリをしてみせるだけ

自分の血が流れなきゃ
たとえ世界が終わっても Nothing matter

 平凡な毎日に ただ胡坐かきながら
 血の涙飲み干して 渇く喉潤すよ
 その下衆な感傷が 連れてくる感情は
 胸焼けがするほどの 身勝手なカタルシス

 人さまのフシアワセ 嘆くように見せかけて
 ああ 僕は幸せと 人知れずほくそ笑む
 手の中で転がした ハートはそう ツクリモノ
 ただ堕ちていくだけの 不浄(よこしま)なカタルシス
 

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

不浄カタルシス

psgmaniaさんの歌詞募集曲向け応募作でしたが、
http://piapro.jp/content/rkf6jtrfnzxms15y

選外となったので、通常の曲募集にシフトします。


2010年5月の時点で、すでに詞先で完成していた作品でしたが、
上記URLの募集曲を聴いた時に
「この曲にはこの歌詞が合うんじゃないか」と思ったので、
曲の譜割にあわせて修正しました。

タイトルの読みは「よこしまカタルシス」です。


 他人の身に起こった悲劇や不幸を見ながら感じるシンパシーは、
 「あー、俺じゃなくてよかった」という身勝手な安堵じゃないのか、
 自分の小さな幸福を実感したいから、他人の不幸や泣ける話を
 欲しがるんじゃないのか──


という疑念から生まれた詞です。


[応募時の構成]
 Aメロ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒サビ
 Aメロ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒サビ


構成変更・加筆・修正については随時対応します。

閲覧数:213

投稿日:2011/04/21 05:32:14

文字数:673文字

カテゴリ:歌詞

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