カーテンを開いた向こうには、いつもアイツが居た。
私をずっと見つめているあなたは、一体何を思っていたんだろう?



ある日カーテンを開けた正面に何かが居た。

真っ黒で大きな犬。最初は怖かったけど、餌をやってみたら喜んで食べた。

そんな姿を可愛く感じてアイツが来る度、餌をやっていた。

別に飼う気なんか無かったから、名前は付けなかった。


適当な扱い 適当な感情で

お前は納得していたのだろうか?


私は少し、後悔していた。
それはまるで、周りの私の扱いに似ていたから―…。


カーテンが開いた向こうには、いつも君が居た。

僕をじっと見つめているあなたは、一体何を思っていたんだろう?



ある日久々に歩いた道端に家がたってた。

いつからたってたんだろう。最初は怖かったけど、君を見つけ興味がわいた。

僕と同じの匂い感じてあなたに会うため、いつも待っていた。

別に飼われる気は無かったから、名前はいらなかった。


適当な扱い 適当な感情で

それでも十分満足していたよ?


僕は少し、不思議に思った。

それは何故か、君がカーテンを開けなくなっていたから―…。



どうしちゃったの…?
僕は他に何も望んでいなかったのに…。

待っても待っても君は出てこない。
じっと座って待っていた。


持病の病(やまい)…。
急に私に身の不自由をもたらした…。

後悔、後悔…会えば良かった。
きっと座って待っている。

いや、そんなこと無いか…私は皆に見放されて生きてきた。アイツも今頃他の家で、ご飯もらって喜んでるんだ。

…涙が出てきた。
適当な扱い、適当な言葉でもいつも来てくれてたアイツにもう会えないんだ…

こんなことなら、名前くらい付けてあげれば良かった。

だって今、窓の目前カーテンを隔てて、あなたの名前を叫ぶことが、出来ない…―



カーテンを開いた向こうには、いつもアイツが居た。
私をずっと見つめているあなたは、一体何を思っていたんだろう?


カーテンが開いた向こうには、いつも君が居た。

僕をじっと見つめているあなたは、一体何を思っていたんだろう?



心の声が、聞こえた気がした。果てしない意識の底で。僕は力を振り絞り、窓を壊そうとした。


ふと物音で目覚めた時、目の前に居たのは…血塗(ちまみ)れのあなた。

息も絶え絶え、痩せ細って、でも力強く尻尾を振ってる。


今、私は。僕は。
幸せだと感じた。

『ありがとう…』


独り暮らしには大きすぎる家の中、少女と犬は、もう動くことは無かった。

しかし彼らの表情は、微笑んでいるように見えた…。

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『名無しの犬』

名の無い黒犬と不治の病気を持っているの女の子(ミクかもしれない)の切ないストーリー系歌詞です。長すぎるので減らそうか迷い中です。

閲覧数:47

投稿日:2011/10/18 13:33:15

文字数:1,104文字

カテゴリ:歌詞

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