「・・・むぅ、金魚がぁ・・・」
敗れた金魚すくいを手に持って、うなだれるミクに俺は、
「その金魚すくいさ、貸してくれないか?」
「・・・え」
「・・・お、そこの若者、頑張れよ」
俺は、屋台のおじちゃんから応援されながら、ミクから金魚すくいを受け取ると、俺はミクのとなりにしゃがんで神経を集中させるため、目を閉じた。
一気に雑音が、なくなる。
俺は・・・目を開けた。

ばしゅっばしゅっばしゅっばしゅっばしゅっ・・・!

「・・・おおっっ」
周りにいた野次馬が、どよめく。
俺は破れた金魚すくいの破れていない部分を使って、一気に5匹すくいあげてボウルの中にすばやく入れるという神業をなしとげた。・・・でも。
「・・・おじちゃん、この金魚入れてくれませんか?」
「ああ。よくやった、若者。・・・だけど、赤い金魚しかいねぇな・・・。・・・よし、ちょっと待ってろ」
と言って、屋台のおじちゃんは奥に消えた・その間、俺たちの周りはとても静かだった。
「・・・待たせたな、若者」
と、しばらくして屋台のおじちゃんは戻ってきて、持っていた袋を俺に手渡した。
「・・・・あ、黒い金魚っ!」
「・・・・おじちゃん」
俺は、おじちゃんを見る。すると、おじちゃんは笑って
「特別だ。そこの若者の努力の成果を称えて、だ」
「・・・あ、ありがとうございますっ!」
俺は、感激して頭を下げた。
その瞬間、今まで事の成り行きを見守っていた野次馬たちが、どっと歓声を上げて拍手が沸き起こった。その中に、カイトとリンが混じっていることなど、2人には知るすべがなかった。
「・・・はい、これ」
「・・・・ありがとう、アカイト」
俺は、金魚が入った袋をミクに手渡してから屋台のおじちゃんを見て、
「・・・来年も、いますよね?」
と、聞いた。
「ああ。来年はもっとすごい技を期待しているぞ、若者」
「よかった。来年も驚かせてやりますから。期待して待ってて下さい」
「ははは、おもしろい若者だ。・・・よかったな、そこのお嬢ちゃん。こんなかっこいい若者がいてなぁ?」
おじちゃんはミクを見て、優しく笑いかける。
「・・・はい」
照れながらも、しっかり答えるミク。
「・・・じゃ、また来年ですね。さようなら、おじちゃん」
「・・・・さよなら、おじちゃんっ」
「お2人さんも、幸せになぁ」
そう言って、俺たちと屋台のおじちゃんは別れたのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

日常的環和 18話 初デート夏祭り大作戦!!その4

こんばんわ、もごならぬもごもご犬です。
今回は赤いあいつが大いに活躍してます。
・・・なんか青いあの人に申し訳ないなぁ。ま、アイスあげて許してもらおうっと・・・(黒い笑顔)
夏祭りはまだまだ続くよ!

閲覧数:136

投稿日:2009/08/02 18:50:07

文字数:998文字

カテゴリ:小説

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  • もごもご犬

    もごもご犬

    ご意見・ご感想

    >憂衣 愁さん
    ありがとうございます(笑)
    神業キター!(大声で←
    ほんと赤いあいつには尊敬しちゃいますよね♪

    2009/08/03 14:15:55

  • 久我 愁

    久我 愁

    ご意見・ご感想

    神業キター(笑)
    赤い人 尊敬しますぜっ←

    2009/08/02 19:10:58

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