灰翅病
不快な夢に苛立つ月夜
さわつく脳裏に突き刺さる灰の楔
闇から声が囁きかける
溢れる血潮にその身を委ねて踊る
目覚めた時にそう教えられた
背負わされたカルマは拭えない
凍てつく視線付きまとう影
何処まで離れても逃げられない
背中を突き破り翅が生える
苦痛に歪む意識まで支配される
何が正しいのか間違ってるか
分からないまま紡ぐ鉛の糸
呪いの果てに流れ着く河
己の病は選ばれし者の鎖
闘い疲れ眠りについた
記憶の淵覗き掴む欠片
繋ぎ合わせて面影を見た
錆びた杭に打たれ絶望する
どんなに叫んでも届かぬ壁
朽ちることない旋律が覆い尽くす
迸る衝動に骨が軋む
熱を解放したら自由になる
黄泉のほとりで雨に晒され
漂う鱗粉が鈍く光る
背中の傷が疼いて痛む
水面に星が降り地図を辿る
耳から離れない甘い吐息
砕け散らばる泡沫に溶かし尽くす
冷えた銀の針は死を誘う
虚空に響く歌が呼び続ける
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