孤久里の住人
彷徨える未練で積み上げられた回廊に
辿り着いたことは幸いであるか分からず
手放した声さえ夢を砕く鋭い爪
踏み入れたその先虚ろに揺らめく風船
定まらぬ視線には宿らぬ光
愛も温もりも捨て得たものは何だったのか
心を切り離しても痛みは鈍くつきまとう
気づかぬふりで奏でる極彩で埋めたシネマ
果てしなく続いた階段はまだ終わらない
望めば望むほど広がる道は遠ざかる
振り向いてはいけない歩き止めたら
流れ込む残像が喉の奥を締めつける
偽りの色で飾る硝子の檻が煌めく
甘菓子の星が弾け砂の城を嘲笑う
彼方に葬り面影を月の輪に溶かして
孤独に漂う世界永久に繋がる扉へと
在りもしない目が誘う
煙に歌う金糸雀
足元に連なる石
一粒の欠片を落とす
誰かが受け止めるまで
忘れられたパラノイア
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