灰の岸辺に朱い雨
凍る星が鈍く尖り
白い闇の隙間刺してゆく
沈む時間千切るように
絶えず流れ落ちる川の水
積まれた石の果て後悔はするけど
何が正解かは今でも分からない
人は答えを求め続けて
一縷の光に縋りつくけど
糸はあまりにも頼りなくて
嘆きの指も振るい落とした
誘うような花の香り
朱い蝶が辿り着ける在り処
岩に刻み示す行方
風に削られて読めない文字
色褪せた記憶に残るはずもないが
誰かが見たという虚言を繰り返す
揺れる灯火は掻き消されて
無情の定めを付きつけるけど
足掻いて変えられるものならば
不条理など在りはしないから
天と地を縫い繋ぎ合わせた
綻びからの茜に染まれ
灰が降り積もるこの岸辺で
翅は西へ東へ踊るけど
甘い蜜は鏡の向こうで
夢が重なり滲んで溶ける
朱色の雨
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