マダム・メリーゴーランドの小説を、作ってみました!!
「マダム・メリーゴーランド」
第一話
僕は、遊園地に居た。
いつ、なんのために、どうやってここに来たかはわからない。
なぜか、ここにいたのだ。
「どこだ・・・・ここは。」
自分の状況が理解できないので、少し歩いてみることにした。
僕がいる遊園地は、ジェットコースター、観覧車、メリーゴーランド、お化け屋敷など、普通のアトラクションがある。
メリーゴーランドの横を抜け、ジェットコースターの下をくぐり抜け、ただひたすらに歩いていると、
「こんにちは、いえ、こんばんわね。」
いきなり、目の前に女の子が現れた。
彼女は、肩より少し下ぐらいまでの白い髪をツインテールに結び、朱のドレスを着ていた。そして、
手錠をしていた。
(手錠・・・・・?)
僕は手錠をしている彼女に僕は眉をひそめたが、挨拶されたので返さないのは失礼だと思い、とりあえず挨拶を返した。
「・・・こんばんわ。」
僕が挨拶を返すと彼女は、
「ようこそ、愉快な国へ。」
と、言いながら両手の指でドレスの裾をつまみ、持ち上げながらお辞儀をした。
よくある外国の挨拶だ。
「愉快な国・・・・?」
僕は問いかけた。
「そう、愉快な国。観覧車も、お化け屋敷も、今夜だけはあなただけの奴隷(スレイブ)。」
「奴隷?奴隷ってどういうことだ?」
彼女は不気味に微笑みながら言った。
「あなたについているがんじがらめの鎖をほどいてアゲル。」
僕はその不気味なほほえみに寒気を感じた。
「い・・いや、質問に答えてくれ。奴隷とはなんなんだ?」
「言葉の通り、奴隷よ。」
僕は、少しいらついて声を張り上げて言った。が、
「奴隷の意味を答えろと―ムガッ」
「もう行きましょう。時間の無駄だわ。」
いつの間にかすぐそこまで来ていた彼女は、冷たい白い手で僕の口を塞いだ。
「―!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どこに行くんだ?」
冷たい彼女の手で顔を冷やした僕は冷静を取り戻し、質問した。
「ふふ、行けばわかるわよ。」
彼女は微笑みはぐらかした。
彼女は楽しみを取っておく派なのだろうか。質問にほとんど答えてくれない。
そういう風に解釈した僕は少し黙ることにした。
彼女は僕の手を取り、引っ張りながら歩いた。
それにあわせて僕も歩いた。
歩いてる途中、僕はふと思った。
(そういえば、この子の名前はなんていうのだろう。)
これから行くところまで少し時間があると思ったので、質問してみることにした。
「・・・・君の名前はなんていうんだ?」
「マダム・メリーゴーランドよ。リンドってよんで頂戴。」
「マダム・メリーゴーランド・・・・・・・・・わかった。」
「・・・あなたの名前はなぁに?」
「僕の名前は・・・安斉美紅男(あんざい みくお)だ。」
「へぇ~。美しい名前ね。」
「・・・・・よく、言われる。」
僕は照れくさくなって頬を人差し指で掻いた。
「さ、着いたわよ。」
第一話 完
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