KAITOが「アオノウタ」を歌ったことから始まった一連の事件から数日後。
未だにKAITOは帰ってこない・・・。
一体、今はどこで何をやっているのかしら?
一応、異常気象は治まったっぽいけど・・・
「お姉ちゃん?どうしたの?」
心配したミクが私に話しかける。
「お兄ちゃんならきっと、じきに帰ってくるわ。大丈夫よ。だから・・・元気出して。」
「うん・・・」
でも、あれからもう数日・・・少なくとも、10日は経っている。
いい加減、帰ってきてもおかしくないはずなのに・・・
「私が・・・あの歌を歌わなければ・・・」
「お姉ちゃん・・・。」
<ピピーッ!ピピーッ!ピピーッ!>
「な、何!?」
「警報の音だわ!」
『えー・・・つい先ほど、▽○火山が噴火しました。それに誘発されるように、各地の火山も爆発が<ドーン!!>キャッ・・・と、とにかく速報を続けます。つい先ほど、▽○火山が・・・』
「どう言う事・・・?」
「うそ・・・あの一連は・・・KAITOが止めたはずじゃ・・・」
もしかして・・・「アカノウタ」と「ミドリノウタ」は封印されていない・・・?
だとしたら・・・
「・・・♪ ♪♪♪♪ ♪♪ ♪♪♪・・・」
「お姉ちゃん?」
「・・・何も起こらないわ・・・やっぱり、ここで歌っても意味ないのかしら・・・」
「・・・大丈夫?」
「うん・・・とにかく、もう夜だし、寝ましょう。」
「うん・・・。」
―翌朝―
「ふわぁ~・・・おはよーミク。」
「うん、おはよう!お姉ちゃん!」
また、何気ない一日が始まる。
最近は、謎の異常現象が起きてて、気は抜けないけれど。
<ピピーッ!ピピーッ!ピピーッ!>
「お姉ちゃん!また!」
「また警報?と、とにかく揺れに警戒するのよ!」
・・・どうして、
どうしてこんなにも異常が起きているのだろう?
分からないけど、とりあえず今は無事だし、大丈夫よね・・・?
「最近、植物が異常繁殖したりもしてるっぽいね。」
「えぇ、でもネギはそうでもないみたいだから、ミクはちょっと残念かしら?」
「そ、そんなこと無いよぉ・・・でも強ち否定は出来ない・・・」
「ふふっ・・・でも、早く治まるといいわね・・・。」
「うん・・・」
こんな日々が、数日続いた。
その中で、“何かが足りない”“誰かがいない”ような気がしたのは気のせいだろう。
だってもとから、ここには私とミクしかいないのだから。
―数日後 夜―
・・・
・・・・
・・・・・・
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
・・・?
この声は・・・誰?
若い男の人の歌声・・・
でも、何故か聴いたことがあるような響き・・・
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
歌っているのは・・・誰?
あそこにいるのは・・・誰?
ここはどこ・・・?真っ暗
穴の底?どこなの?
そして、貴方は・・・誰?
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
「・・・♪♪♪ ♪・・・
あ、待って・・・!
待ってよ!ねぇ、貴方は誰?どうしてここで?何を歌っているの?
ねぇ、答えてよ!!ねぇ!!
「待って・・・!!」
「お、お姉ちゃん?どうしたの?」
「ミク・・・?あれ?私、なんで・・・」
「寝言でずっと、「待って、待って」って言ってたよ?」
「ご、ごめんね・・・心配した?」
「うん・・・」
「ん、もう大丈夫。ちょっと変な夢を見ただけ。
もう朝だし、このまま起きちゃいましょ」
「うん!」
あの夢は一体何だったんだろう?
あの夢に出てきた人は一体誰だったんだろう?
分からないけど・・・確か・・・こんな歌を歌っていたっけ?
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
・・・変な歌。言葉も意味が通じないし、一体、何でこんな歌をあの人は・・・?
・・・!?
何・・・?
突然周りが白く輝きだして、気が付くと私は、見知らぬ部屋にいた。
「うわぁ!?KAITOの次はMEIKOか!?」
「え・・・?」
そばにいたのは、若い男の人。
ディスプレイからいつも見ていた、マスターだった。
「かい・・・と・・・?あ、KAITO!なんで・・・何で私は、KAITOのことを忘れていたの・・・?」
「な、何がなんだかわかんねぇけど、め、MEIKOだよな?」
「あ、はい!いつもお世話になってます!・・・じゃなくて、マスター、KAITOを知りませんか?ここ数日見当たらないの」
「KAITO?あぁ、KAITOなら、結構前に、「“崩壊の中心”に行って、歌ってきます。」とか言って、いなくなってそれっきりなんだ。
だからオレも知らない。」
「・・・分かりました。私、ちょっと行って来ます。もしかしたらKAITO同様、帰れないかもしれませんけど、もしものことがあったら、再インストールお願いします。」
「え・・・?あ、あぁ・・・」
KAITOは、あの日、“崩壊の中心”に行ったんだ。
声は届いていて、その声を聴いたKAITOが・・・とにかく、私も「アカノウタ」を何とかしないと・・・!!
でも、どこなの?“崩壊の中心”があった場所は・・・
一体・・・・あ・・・
「・・・♪・・・♪ ♪ ・・・ ♪・・・ ♪・・・」
途切れ途切れだけど、この歌は・・・
間違いない!逆さまの「アオノウタ」!
しかもこの声は、紛れも無く、KAITOの声だわ!!
私は、その声を頼りに待ちの中央広場へたどり着いた。
異常繁殖した植物と、頻繁に起きる地震でぐちゃぐちゃになっていたけれど。
「KAITOは・・・ここに来たのよね?」
広場の地面の底から、うっすらとKAITOの歌う逆さの「アオノウタ」が聴こえていた。
多分、ここで間違いないはず。
「・・・♪ ♪♪♪♪ ♪♪ ♪♪♪・・・」
「アオノウタ」が逆さに歌って封印されたのなら、「アカノウタ」もきっと同じはず。
だから私は、「アカノウタ」を逆さに歌ってみる。
「・・・♪ ♪♪♪♪ ♪♪ ♪♪♪・・・」
・・・お願い、上手く行って・・・!!
「・・・♪ ♪♪♪♪ ♪♪ ♪♪♪・・・」
・・・!!
突然、地面にぽっかりと赤い穴が開いた。
私はその穴に、まっさかさまに落ちていく。
「え・・・?何これ・・・?い・・・いやぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁ!!」
叫んだけれど、誰に届くはずも無く、私の身体は自由を奪われ、どんどん落ちていく・・・
「・・・♪・・・♪ ♪ ・・・ ♪・・・ ♪・・・」
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
途中から、周りの色が青になっていた。
そしてその色はどんどん深く、黒くなっていって・・・
そして、聴こえてきたのは逆さの「アオノウタ」
あそこにいるのは・・・
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
「・・・KAITO!!」
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪・・・」
「ねぇ、KAITO!気付いて!!」
「・・・♪♪♪ ♪ ♪ ♪・・・」
「気付いて!!」
「・・・?」
その瞬間、周りはまた赤に変わった。
最後に、KAITOが振り向くのが見えた。
KAITOに、声は届いていたのかしら?
それよりも・・・
私は、このまま永遠に落ち続けるのだろうか・・・?
・・・あれ?
気が付くと、そこはいつものパソコンの中。
「あれ・・・?私は一体・・・」
「お、お姉ちゃん。大丈夫?」
「あ、ミク!KAITOは?ねぇ、KAITOはいる?」
「かい・・・誰それ?」
ミクは、KAITOのことを完全に忘れていた。
ついさっきまでの、私のように。
「そう・・・分かったわ。なんでもない・・・。」
「大丈夫?」
「えぇ・・・そうだ、ニュース見た?火山の噴火とかは、どうなったの?」
「火山・・・?噴火なんかしてないわよ?」
「じゃあ・・・治まったのかしら・・・」
「今起きてる変なことと言ったら・・・植物の異常繁殖くらいかしら?」
「そう・・・それならまぁ・・・大丈夫ね・・・。」
KAITOのことが気になるけど、今はどうしようもない。
とりあえず、「アオノウタ」「アカノウタ」「ミドリノウタ」の楽譜データは捨ててしまおう。
またこんなことが起こらないように。
「ミク、私、ちょっとそこの色付きの楽譜片付けてくるわね。」
「あ、行ってらっしゃい!」
<ピラ・・・>
「あれ?お姉ちゃん、一枚落としたわよ?・・・あ、もう行っちゃった・・・
どうしようかな・・・・。あ、これ、楽譜だし・・・歌ってみようかな?面白そうだし・・・。
ちょっとくらい・・・いいよね?」
「・・・♪ ♪ ♪ ♪♪ ♪♪♪♪・・・」
あら?一枚足りない・・・
「ミドリノウタ」の楽譜が無い!!
ミクが拾ってなきゃいいけど・・・
戻って確かめなきゃ、ミク、あの歌は絶対に歌っちゃダメよ!
絶対に・・・
「碧ノ歌」に続く・・・
【小説】紅ノ歌
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途中PCが重くなってメモ帳に移行したりして書いてたけど大丈夫だよねw
後一つ・・・「碧ノ歌」に続きます。
今日中は無理だこれw
一話に1時間以上かかるってなんぞwww
おっかしいなぁ・・・流れ自体は出来てるから、それを形にするだけなのに・・・。
もっとタイピングを早くなりたいです・・・orz
MEIKOも辞書登録しようかな・・・
意見・感想・誤字脱字報告お待ちしております!
ではっ!
コメント1
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ご意見・ご感想
なつと
その他
おぉ、めーちゃんは帰ってこれたのか…ε=( ̄。 ̄;)
じゃあ次のミクは…
そしてKAITOは…っ?
くそぅ続きはまだか!<●><●>クワッ
しかし、普段の書き込み一つにも相当時間がかかる自分からすれば
1時間でこれだけ書ける背黄青さんは天の上の存在ですぞ^q^
一度頭の中見せてくだs(ry
2011/05/15 13:44:05
背黄青_もみじP
>なつとさん
帰って来れました。
それぞれの歌には、それぞれの効果があると言う設定にしたかったのでw
KAITOは・・・大丈夫です。それは碧ノ歌で明らかにしますw
うん、はよ書けってなりますね、はい。
1時間半以上ですね。確か3時半から書き始めて終わったのが5時半位だった気がしますのでw
あれ?2時間かかってね?
計算ミスしたんだぜ!文句あっか!www
ひいぃ!ちょ、頭かち割らんといてぇ!!←
ではっ!
2011/05/15 15:25:48