最近の投稿作品 (123)
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カイトくんバー 番外編の番外編『粉雪と氷』
カイト君バー 番外編『雪と氷』
とある雪国の―――
とある街の―――
小さなバーを営むカイトの
とある日常です。
- SNOW NOTE ユキノオト
- ピアノの精霊 SNOW NOTE (雪の音符)
- レトロなルカさん
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ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー7
クミは今、同人誌参加コミュニティー、略してDO・SAN・COの会場にいる。
正確に言えば、会場のさらに奥にある控え室。特別控室に連れ出されたのだ。
この控え室は運営関係者と、特別な女性ゲストしか利用できない。
特別ゲストとは何か? それは女性コスプレイヤーの着替え、又はメイク室なのである。このDO・SAN・COでは地元の旭川市と、その周辺地区のサークルが主に参加しており”女性”コスプレイヤーとして参加している者のみがこの部屋を自由に利用できるというワケである。ちなみに男性コスプレイヤーはトイレや非常階段などを利用する。いと哀れである。
それもそのはず。やはり女性のコスプレイヤーはこの手のイベントの華なのだ。
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ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー6
2009年の8月の中頃。栗布頓高校美術部の面々は、バスで40分揺られ、旭川市バスターミナルに着き、そこから市街中央を縦断する歩行者天国を徒歩で25分。70年代の匂いを残す、レトロな4階立ての建物が彼らの目指す”旭川ふれんず会館”である。
しかし、何となく気がついてはいたのだが、彼等が歩くのと歩を同じくし、結構な人数が併歩していた。それは小さな河がどんどん集まり、大きな大河となるように人の群れが次第に太くなるのだ。そして俺氏が皆に言った。
「ふふっ。どうやらこの方々は、DO・SAN・COへ向かっているようさ・・・」
「おお・・・やはりですか。それにしても凄い人数でありますな!」
書生は生唾を飲み込む。
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ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー5
授業が終わり、クミはいそいそとカバンに教科書やノートを詰め込んでいた。
放課後は美術部で部活動がある。夏休みに行われる同人誌即売会DO・SAN・COに配布する為の作品作りが佳境に入り、部員達、特にイラストを受け持つクミは大忙しだった。実際には日数にまだ余裕があるのだが、期末試験などが控えている為、スケジュール前倒しで作業を行っているからである。クミの担当は表紙絵、挿絵数点、デザイン上のレイアウトなど15点に及んだ。
同人誌の内容は、ボーカロイド初音ミクが題材の小説とイラストの小冊子。
よくある製本などは部員達にとっては未知の産物。したがってPC出力の綴じ込み本、いわゆるコピー本という形を選んだ。
クミにしてみればマンガやイラストっぽい作品を描くのは初めてだった。だが、それが功を奏したのだろう、個性的で味わい深いイラストが描けて、部員達に評判がすこぶる良い。
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ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー4
1週間前、俺氏―――リンの祖父は突然倒れ、緊急入院した。
意識不明の重態だったが、昨日、わずかな時間であるが意識を取り戻し、かけつけた家族と、長年の友人である書生とヤンスを一時、喜ばせた。
そして俺氏はたどたどしい言葉でこう言ったのだ。
「ふふっ・・・クミ、お前の初音ミクが・・・もう一度見たい」
側にいた書生とヤンスも、一緒にその言葉を聞いた。すっかり白くなった髪を搔きながら書生は提案した。
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ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー3
その後も幾度も再生し、更に書生とヤンスが互いに競いあって自分の知っている曲の動画を再生しあい、気がつけばカーテンが必要ない程に外は暗くなっていた。
「あ・・・もうこんな時間! ごめんなさい。門限があるんです」
女子生徒は携帯電話で時間を知ると、教室から出よううとした去り際。
「あ・・・あのう」
3人は同じタイミングで声をかけた。一瞬間が空き、そして3人は笑った。
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ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー2
50年前、2009年。
北海道の中核都市である旭川市。そこをやや南下した所に栗布頓町(くりふとん)という小さな町がある。炭鉱で栄えた時期もあったのだが、近代化に伴い石炭の需要は激減し廃坑となった。基幹産業が失われ、人口は十分の一程にまで減る。
それでも3000人の人口を残し、更に近隣に高校が無い為に、この辺りの子供達は余程の事が無い限り、この町の高校に通う事になる。
長い冬、深い雪。だから―――この町の春は遅い。
なにせ5月のはじめにやっと、桜が咲き始めるのだ。
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ミラクルペイント キセキのバーチャンアイドルー1
リンはその光景をじっと後ろから見守っていた。そして、ぽつりとつぶやく。
「ま、マジかよ・・・」
化粧台の前には、見事なアーモンドグリーンをツインテールに結わえた美少女の後姿あった。グリーンの髪はもちろんカツラだ。
顔にはファンデーションを重ねて塗り陰影をつけ、アイラインを太く強調するペンシル裁きはなかなか手馴れたものだ。
その様子をリンは、鏡越しに黙って見ている。
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VM-1 緊急ミーティング③
VM-1 緊急ミーティングの巻その③
登場人物紹介
初音ミク: 言わずと知れたボカロクィーン。漫才コンビ『ねぎめしMサイズ』ではツッコミ担当。お胸のサイズを相方によくいじられる。
米山マイ: まだマイナーだけど頑張るUTAU。『ねぎめしMサイズ』ではボケを担当。しかしあまりに無邪気で粘質なボケは時に、ミクを台本通りにしゃべらせない食わせ者。前回のミーティングではパンツ設定で関係者たちを大いに騒がせた。