タグ「KAITO」のついた投稿作品一覧(14)
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カイト君バー 番外編『雪と氷』
とある雪国の―――
とある街の―――
小さなバーを営むカイトの
とある日常です。
北の街は白いシーツがふわりと被さる様な雪が降り、例年より少しだけ早目の冬を迎えていた。
柔らかな新雪は踏むと心地よさそうだが油断は出来ない。何故なら冷え込んだ夜に雪は、その下に鏡の様...カイトくんバー 番外編の番外編『粉雪と氷』
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大粒の雨粒がぼたぼたとアスファルトに水玉模様の染みを作り出すと
それはどんどん増殖し、地面をすっかり黒く染めていった。
体育館の屋根は雨音で連打するスネアドラムのように激しく打ち鳴らされて、どんよりとして湿った空気が室内を支配する。
そんな中、メイコたち生徒会メンバーは本日行われる
新生徒会選挙の準...青い草 第10話D
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図書館の騎士シリーズ新章。
回想話で
カイトとリンの初めての出会い。
そして、次の冒険へ。
頼りない騎士と、超強いお姫様の御伽話。
カイトが初めてミラー家に来たのは一年前。
古く小振りではあるがしっかりとした木造の三階建ての屋敷で
蔓草絡まるその風体はこの森に溶け込んだけの時間を示していた。
風通し...図書館の騎士 歌う海1
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優雅な三拍子、弦楽楽器の奏でるワルツは
空を漂う木の葉のように前に後に、右に左に
来賓客を規則正しく揺らせていた。
しかし、カイトとルカのダンスはどうも
他とは様子が違うようであった。
「うっ!」
カイトはまだ痛みが残るリンに踏まれた足の甲に
更に重なる痛みを感じる。
「あ、ご、ごめんなさいっ!」
...図書館の騎士 3
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ルカは一人、バルコニーにいた。
ホールの窓側の壁は大きくくりぬかれ
外に出る事が出来る。夜空には細い三日月が
浮かび、側の泉から吹く風がとても心地よく
涼やかな風が通り過ぎていた。
沢山の来賓客に挨拶したせいだろう
その横顔はすこし、疲れていた。
艶のある茶色いドレスには金糸で唐草が
刺繍されており...図書館の騎士 2 後編
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図書館の騎士 2話 前編
うずく足の甲を堪えつつ、来賓客で賑わうホールを
カイトはリンの腕を組んでエスコートしていた。
今回の舞踏会の主役であるルカ・ループ・ブラストに
挨拶をしにいくため、広いホールを二人で静々と歩いていた。
ミス・ルカは、ループ家の一人娘で
リンのミラー家と親戚関係である。
ルー...図書館の騎士 2前編
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異国の弧を描くサーベルのような月が静かな泉に浮かぶ。
たおやかな波は月明かりを拾い、ひだのように漂う
その中を緑色の髪をした少女が裸で浮かんでいた。
少女は瞳を開け、その泉の先にある大きな屋敷を見つめる。
屋敷は窓という窓から蝋燭の光が零れ、とても美しかった。
再び少女は瞳を閉じて、その身を波に任せ...図書館の騎士1
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ぶすり。
「ぎゃっ!」
カイトは制服を突き抜けて素肌の背中一点に激痛を感じて
自分でも驚く程に叫んでしまった。
休み時間にカイトの叫びで一瞬止んだ喧騒は
再びざわめきを取り戻す。
カイトは椅子に座ったまま何事かと後を振り向くと
シャープペンシルを持ち無愛想に立つルカがそこにいた。
「お、お前……、何...DTM!-EP 6-【前編】
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空は薄暗くなり、夜空と夕焼けが混ざり合う。
校舎の裏、グラウンドの中心にはキャンプファイヤーの
為の木のやぐらが四角く組み合わされて、その中心や周りには
本年度使われていた文化祭の看板や小道具などが置かれている。
一部の来年以降にも役立ちそうな小道具などは体育館の倉庫に
保管されるが大半の物はこのキ...青い草 9話⑦
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列を成していたメイドカフェは何とか落ち着き
机を並べて作ったカウンターの裏でカイトは洗い物を片付け
ガクポはメイド達のオーダーを淡々とこなしていた。
「ようやく一息つけそうでござるな!」
ガクポが額に汗を浮かべながらも笑顔で言った。
「……、いや、ひどく忙しかったよ……」
隣で洗物をカゴに入れながら...青い草 9話⑥
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暑さも優しげになり、青空を漂う雲も何となく高く感じる季節。
ボカロ学園に続く通りはいつもより人が多く歩いており
学園に近づけば更に人が多くなってくる。
制服を着た学生達に混ざり
一般人、他の学生、お年寄りからお子様まで
ボカロ学園は人で賑わっていた。
3日間続いた文化祭も本日がファイナル。
各教室は...青い草 9話④
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【DTM!シリーズ】 ウィキペディア
現在絶賛連載中で『小説☆書こう!読もう!』コラボ内での
リレー式連載小説。
正式名は【Desk Top Mymaster! 机の上のお姫さま!】であり
あらゆる文章形態で
発表される多人数参加型小説である。
基本フォーマットは出来てるものの、担当作家による
独自...【DTM!シリーズ】 ウィキペディア
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いつもと変わらない朝。
アクビをしながらカイトは机の上に
たっぷりと淹れたばかりのコーヒーの入った
大き目のマグカップを置き、PCの電源を入れた。
液晶画面にはミクのキメ顔でポーズを撮った壁紙。
「……あいつ、また勝手に壁紙変えやがった……」
この画像はミクがカイトを散々つき合わせて撮ったものである...DTM!-EP1-
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グスン、グスンと電話先で泣いてるのは
年下の友達であるミクであった。
僕は布団に潜り込み、まさにこれからノンレム睡眠に陥る瞬間に
電話のコールに叩き起され、かれこれ1時間程
ミクの泣き声交じりの愚痴に、つき合わされている。
毎度の事だが、ミクは彼氏とケンカをしてしまい
「ねえ、カイト君……。もうダメ...君の味方