注意
この作品では、レン君が悪く書かれることがあります。
前世や生まれ変わりなど、独自設定多いです。
亜種キャラクターも多数登場予定です。
それでも大丈夫な方のみ、お進みください。
甘いマスク、よく通る声。身長は平均より少し低いけれど、しっかりした体格。運動神経バツグン、成績優秀。優しくて、学級委員もするほど責任感もある。けれど話は面白くて、おちゃらけたところなんかもある。男子の中心的存在で、女子からはハートが飛びまくっている。名前は鏡音レン。
そんな彼が、私は苦手だ。
「リンも変わってるよねぇ。そんな苦手なカレと一緒に学級委員なんて、なんで続けてるの?」
私の友人が、首を傾げながら譜面台を立てている。部活中は、私語を慎んで欲しいのだけど。
「ミク、部活中だよ。でもリン、帰り道には聞かせてね」
おっと、しっかり者のレンカがいさめてくれた。はぁい、と肩をすくめたミクは楽譜を抱え、譜面台を持つ。
「絶対だよ。忘れないからね」
そういうなり音楽室を出て行ったミク。釘を刺されてしまった。うぅん、これは答えなきゃならんのか。
レンカはとっくに準備が終わったらしく、パートの場所に着いている。さすがは優等生って感じだ。私も早く行かなくちゃ。
黒板に書いてある場所を確認し、楽譜を抱えた。演奏会まで、あまり時間はないんだ。集中しなくちゃ。
といっても、私の思考はさっきの言葉に吸い寄せられる。答えはとっくに出ているのだ。
だけど、口に出せるかと聞かれれば、出来ないだろう。ミクにもレンカにも、言えない。 だって、前世の記憶を持ってるなんて、誰も信じられないでしょう?
小さい頃からずっと頭の中で流れる映像。
私は大きな白いリボンを頭に付けて、変わった服を着ている。何もない空間で、私ともう一人。その人は私に背中を向けているけれど、私が名前を呼ぶとこちらを振り返る。
「 」
嬉しそうに、私の名前を呼んで。太陽みたいに明るく、優しく、愛おしげに微笑むのだ。
その顔を見る度に、私は泣きそうになる。こみ上げてるくる感情が、胸のコップから溢れそうになって。その感情は、なんて言うんだろう。喜び、哀しみ、切なさ、恋しさ。
だけど、違う。それはもっと、幸せで胸を締め付けるような響きをしているはず。
そんな幻想を持ち続けてるなんて誰にも言えるはずなくて。もし両親に言ったら何か辛いことでもあったのかなんて心配されるし、友人に言ったら頭がおかしいのではないかと避けられるだろう。ミクとレンカは信じてくれるだろうか。多分否定も非難もしないだろうけれど、受け入れてくれるだろうか。二人に拒絶されてしまったら、私はきっとその幻想を捨ててしまうだろう。
私は、捨てたくなかった。あの微笑みも、感情も。
だから私は追いかけてしまうのだろう。夢に出てくるあの人に似た、彼のことを。
あぁ、二人にはなんて答えればいいんだろう。
もしも運命があるのだとしたら、きっとこのことを言うのかも知れない。
その時、私はそう思った。今では……どうだろう。解らなくなってきたけれど。
去年の秋のことだった。隣の教室から出てくる彼のことを見た瞬間、私のなかで何かが弾けた音がした。あの人だ、夢に出てくる、あの人だ。そう、心で叫ぶ声がした。
ずっと探していたような気もするほど、心が求めている。はやる気持ちを抑えながら、声をかけようとしたときだった。
可愛らしい子が、彼へと駆けだしていったのは。
長い髪の綺麗な、学年でも有名な美女。モデルとして活動しているという噂もあって、みんなのマドンナ。そんな女の子。
その子は彼の隣に並んで、楽しそうに話している。私はその場から離れて、トイレで静かに泣いた。
どうして泣いているのかわからなかったけれど、今なら解る。私は勝手に裏切られたと思ったんだ。私が見ている夢を、彼も見ていると何故思ったのだろう。
その後で調べて、彼の名前が鏡音レンということと、あの子と付き合っているということ。そして二年に上がって、二人が別れたということを知った。
二年生に上がった私が学級委員になったのも、これまた運命と呼びたいくらいの奇跡だ
。
四月のホームルームで、彼は推薦されて学級委員になった。男子からも女子からも好かれる彼は、一発で決定。女子の委員はどうするか、という話の流れに。
鏡音レンと一緒に学級委員なんて、すごいことだ。モテモテの彼と、他の人よりも一緒に居られる時間が長いのだから。だからこそ、他の女子から疎まれる。互いに牽制しあう女子にしびれを切らしたのか、担任のメイコ先生はくじで委員を決めようと言った。もちろん反対する人がいるはずがなく。先生のくじを引く手を誰もが祈りを込めた目で見つめた。
それで、私が選ばれたというわけだ。とても驚いたし、他の女子の視線が怖かった。けれどそれ以上に、運命だとも思った。今まで近付くことすら出来なかった私が、一緒に委員を出来る。とても幸運で、勝利の女神は私の味方だとすら思った。
先生も反対をしなかったし、くじで決めたことだから反論ができない。挙手する人は誰も居なかった。私ももちろん断らなかった。
そうして共に黒板の前に立った私に、レン君は一言。
「鏡音さん? 地味な子だしなぁ……俺の足、引っ張らないでね?」
私の中の鏡音レンのイメージはものの見事に崩れ去った。
もちろん、解ってはいるのだ。彼はいつでも優しくて、真面目で、明るくてお人好し。たまにふざけることはあるけれど、基本的にはいい人なのだ。他の人に対しては。
「リン、遅い。足引っ張らないでって、言ってるよね?」
なんで私にだけ塩対応なのかな!?
彼女は彼のことが苦手なようです。
鏡音誕生日おめでとう!!今でも愛してる!!
久しぶり、一年以上ぶり?な小説投稿です。
久しぶりにピアプロに来た気がします。そろそろアイコン変えようかなぁなんて。
鏡音の愛を込めたつもりですが、なにせ小説を書くのも久しぶりなもので。ボカロからも久しく離れていたので、なかなか昔の感覚を掴めません。ミスタイプも多いしね!
ですが、これからはもうちょっとボカロに歩み寄ってみようかな、なんて考えてたりします。
この話も、続くかもしれないですし……?
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