「ねぇ。ヌシ(主)さん。」
「おう、なんでぃ。ミクの坊。」
「いや、その似非っぽい江戸弁、かなりうざいんで止めてもらえます?
って、それはどーでも良いや。
ねぇ、ヌシさん。わたし、前々から思ってたことがあるんです。」
「おー、ついに愛の告白か?」
「……。」
「あの、露骨に『こいつめんどくせえー』って顔するのやめて貰っても良いっすか?」
「…はぁ。まぁ、つまりはそこなんですけどね。なんで世の初音ミクってもんは、そーゆーイメージなんですかね?」
「そーゆーってのは一体?
性的な意味でマスターに調教されちゃうボーカロイドの話?
そりゃ実際にはねぇと思うがよ。ありゃ、薄い本の中だけの話だw」
「そうじゃなくてですね!
なんで、世の初音ミクてのは 『マスター大好きLOVE (はぁーと)』なのが、さも当たり前のように想定されてるんでしょうね!ってことです!!!!」
「え?それが普通なんじゃ無いの?
あれ、もしかして、ミクさん、俺のこと嫌い?」
「はぁ…。誰がヌシさんとわたしの話をしましたか。
世の一般の『初音ミク』の話です。」
「……。」
「なんでそこで黙るんですか。」
「いや、ミクさん、俺のことなんとも思って無かったんだなと判ってしまったんで。」
「この人は、まったく…。
あのですね。良いですか?
わたしはヌシさんのこと別に嫌ってないです。
というか、どちらかといえば好きな方です、たぶん。
アニオタで萌え豚ですけど。
隠しフォルダにえっちぃ動画とか溜め込んでますけど。
同居人としては頼りないですけど、ちゃんとご飯作ってくれますし。
曲はまったく作ってくれないですけど。
たまに優しかったり、気遣ったりもしてくれますし。
お仕事、一応、頑張ってるみたいですし。
わたしは、ヌシさんの家の『初音ミク』です。
それは別に変わりません。
だから、安心して下さい。ね?
…って、もう!これで良いですか?」
「おう。上出来w」
「卸すぞ、オマエ。」
「いやん、ツンデレ。」
「…アンイストールされたい。むしろ、実家帰りたい。箱詰めされてた頃に帰りたい。」
「ごめん、調子乗った。けどまぁ、そういうことなんじゃねーかな。」
「何がですか。」
「世の『初音ミク」さんも、そりゃ色々あるんだろーけど。傍から見りゃ、仲睦まじくやってるよーに見えるんじゃねーのって話よ。」
「むー。それじゃ、わたしとヌシさんが、まるでらぶらぶしてるみたいじゃ無いですかー。
心外です。というか、ありえないし。絶対やだ。」
「しょぼーん」
「いちいち、凹むな。というか、口に出して言うな。ツッコミ待ちかw」
そんなこんなな、下町はずれの昼下がり。
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