満たされた液体は願望と溶け合った底の見えない代物
毒毒と色を増す密圧は栓を産み溝に流れない
軋轢は間へと気づけない違いに変異し裂けてゆくほどに
勘違いからずれた抑圧に耐えきれず破綻するでしょう

密室はひたひたに水蒸気噎せ返る乾ききれない症状
刻々と混ざり合う一線を画したい濃度へと到るまで
目前の大凡人らしき肉を抱いたそれは何故か微笑んだ
的外れ悪くない曖昧な半端ほど抜け出せないから

止められた照明も浴槽も温度などとうになくしているけど
幸福は温かい肉厚な不快感と擦れ違う膿漏
人知れず消えていく真緑に冒され構築余儀なくされれば
真実なんてとても簡単に解き明かせる筈と気付けた

弛緩から硬直絡み合い超えていく領域ならもう後ろ
粘液は嘗ていた始まりを彷彿とさせて懐かしいけれど
憐憫が過ちをろ過しても謝罪ややりなおしはしなくていい
歩むという行為そのものに含まれた概鑑みれば

伏線の成れの果て判別も不可能な愛が髪に触れてゆく
優しさで片付ける他人より執拗な偏執がいとおしい
空腹も微睡みも不必要な身体になれば安らげるでしょう
禁忌なら土足でも立ち入れと鉄の掟の家訓だから

波打ちもなくなって静寂が訪れるならば理想の底です
均一に並ぶ時完全な相対は絶対になれるから
思いつめ日々はもう報われる感触に浸り無い頬が緩む
性別も遺伝子も神経も有機性廃棄物になる

浴槽の液体は純粋な水じゃない
悲しみ生み出した見ず知らずの涙じゃない
浴槽に溶け出した液体は液じゃない
浮力さえ放り出した人体を諦めた人
浴槽の液体は量的なものじゃない
蓄積されることそれ自体が要になる
浴槽に溶け出した液体は液じゃない
死力を尽くすくらい情感に振り切れた人
浴槽の液体は有害と看做さない
実感が足りずに求め合いを極めただけ
浴槽に溶け出した液体は液じゃない
愛憎の顕現を直向きに勉めた供物
浴槽の液体は沈めない密度です
慟哭で涸らした水分を思考で潤ます
浴槽に溶け出した液体は液じゃない
限界を当然に踏みつけて平然な人
浴槽の液体は絶対の愛じゃない
孤独に解決へ苦心した醜い無様
浴槽に溶け出した液体は液じゃない
綻んだ輪郭で繋がり合う二人の果て

浴槽は満たされた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

浴槽は満たされた

溺死の続編にあたります

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閲覧数:85

投稿日:2026/08/02 14:38:06

文字数:925文字

カテゴリ:歌詞

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