遠く 遠く 夜の波間に 小舟を浮かべて
いつかは訪れるこの日に立ち会い
旅立ちの灯火を掲げた
炎に揺れる 君の寝顔は とても穏やかで
いつまでも覚えていられるように
その顔を瞳に焼き付けた
本当なら枯れていくその肉体の傍らで
ずっと寄り添っていたかった
そう--
ずっと一緒に居たかった
もっと抱きしめていたかった
たくさん笑っていたかった
こんな自然な思いが許されないなんて
誰が決めたことなの?
認めたくない衝動が
君の足に縋り付いて
別れの進行を遅らせる
時間よ、いっそこのまま止まって欲しい
遙か 遙か 逝ってしまった 君の亡骸を
見えなくなってもこの場から離れられず
別れを断ち切れないまま
瞳にゆれる ぼやけた景色は とても優しくて
いつまでも浸っていられるように
そっと身を支えてくれていた
本当なら動かないその肉体を連れ帰り
今更ながら飯事やろう
そう--
ずっと一緒に居たかった
もっと抱きしめていたかった
たくさん笑っていたかった
生きていくことがこんなに辛いなんて
誰も望んではいないのに
胸締め付ける苦痛が
君の姿を追いかけて
魂の行方を危ぶませる
世界よ、いっそこのまま閉じて欲しい
そう--
ずっと一緒に居たかった
もっと抱きしめていたかった
たくさん笑っていたかった
愛していた 君のこと
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