君に伝えたいことがある

胸に抱えたこの思いを

うまく言葉に出来ないけど

どうか、聞いて欲しい。



「かぁー・・・がみねっ!」
ぱしん、と軽い音と共に、後頭部に小さな衝撃が走る。
顔を上げてみると、そいつはにかっ、と笑顔を浮かべた。
「プリント!持って行ってあげるよ!」
「あ、サンキュー」
先程教師に配られ、しゃしゃっとペンを動かしただけのプリントを、そいつ・・・加賀嶺鈴に手渡す。
鈴は満足げに頷くと、ふんふんと鼻歌を歌いながら、軽い足取りで教卓へと走っていった。

可愛いなぁ。

そんな光景を見て、俺は思わず頬を緩ませる。
俺が鈴を特別な感情で見るようになったのは、鈴と出逢った3年前のあの日からだ。
俺の思考回路は、暖かい日だまりの中に沈んでいく。



「うにぁっ!?」
入学式に向かう、桜の舞う坂。
いきなり聞こえた奇声に、俺は反射的に振り向いてしまった。
目を開けると、慌てたような顔をした、少女の姿。
「っうわ!?」
瞬間、世界がぐるりと廻って、気がつくと、全身を鈍い痛みが包む。
「いってぇー・・・」
「ふにゃー・・・お、重いぃ~・・・」
その声に目を開けると、俺がその少女に覆い被さるような体勢になっていた。
「う、わああぁっ!?わ、悪い!」
思い切り飛び退くと、少女もスカートについたほこりを手でぱんぱんと払いながら立ち上がる。
よく見ると、少女はとても整った顔立ちをしていた。
「あははっごめんねぇ!ちょっと躓いちゃってさー!あっ君も今日入学式なの?ねぇ、せっかくだし、一緒に行かない?」
品の良い容姿とは裏腹に、とてもサバサバとした、明るく元気な印象を受けた。
少女は俺の手を取ると、走り出す。
「えっ、ちょっ」
「あっそういえば名前言ってなかったね!」
少女はくるっと振り向くと、風に靡く髪を払い、満面の笑みで言う。
「加賀嶺鈴!よろしく!」
胸の奥が、どくんと大きな音を立てた。


「くぉら、鏡音!たるんでるぞ!」
春の日差しに誘われ、うとうととしていた俺の脳は、教師から放たれたその怒声で一気に覚醒した。
「す、すいません。」
口ごもりながらそう呟くと、隣からくすっと言う笑い声が聞こえる。
ぱちっと目が合うと、俺にしか分からないように、鈴は小さく口を動かした。
( 眠そうだね )
俺は真っ白いノートの端っこに、シャーペンを走らす。
( 鈴は眠くならねぇの? )
鈴は口元に笑みを含むと、同じように端っこに返事を書いた。
( あたしも眠い )
鈴は顔を少しだけ上げると、ノートを指さし、小さくウインクした。
( 屋上行かない?)
答えは決まっている。



「うわーっ気持ちいい!」
鈴は思い切り屋上に寝ころぶ。
俺も近くに寝転がると、収まっていた眠気が、急に襲ってきた。
「ねみ・・・」
ふああ、と欠伸をすると、右腕に何かが乗る。
「!?」
悪戯っぽい笑顔の鈴だった。
「えへへっ、枕!いいでしょ?」
「あ、ああ。」
いつもより近い鈴の顔に、心臓は壊れるくらいに音を立てていた。
鈴に聞こえているんじゃないか、そんな事を考え、ちらりと横を向くと、鈴は既に寝息を立てていた。
その横顔に一瞬だけ微笑むと、右腕に心地よい温もりを感じながら、俺も深い眠りについた。





いつの間にか、起きている時も夢の中でも、気付くといつもいつだって、君を捜していた。

君に全てを伝えてしまったら、この関係が壊れてしまうような気がして。

でも友達のままは辛くて、だから君に全てを伝えようと思った。

いざ君の目の前に立つと、あれほど練習した君への言葉は臆病風に吹かれ、何処かへ消えてしまう。

本当に俺らしくもない。

もう格好悪くてもいいや。とにかく、今すぐ君に聞いて欲しいんだ。

誰にも負けないでっかい愛を。そんな俺に気付いている?

押さえきれない想いが増したから、勇気を出して一か八か。

飾らないそのままの気持ちを持って、君に伝えたいことがあるんだ。

本当はどうしようもなく怖くて、不安に押しつぶされそうだけど、君を、君の夢を守れるように

もっともっと強くなると約束しよう。

今すぐに、真っ直ぐに、君の元へ。

大好きだ、大好きなんだ。それ以上君にこの思いを届ける言葉が見あたらないんだ。

後から後から溢れ出す想いを伝えるためには、やっぱり「大好き」しか出てこない。




君に伝えたいことがある

胸に抱えたこの思いを

うまく言葉に出来ないけど

どうか、聞いて欲しい。




「大好きだ」





君に伝えたいことがある
胸に抱えたこの想いを
うまく言葉にできないけど
どうか聞いて欲しい

いつの間にか 夜も眠れないぐらい 君を想っていた
眠ったって 夢の中で探すくらい 想いが募っていた
君に全部伝えたら この関係壊れちゃいそうで
でも友達のままじゃ辛くて だから全部伝えたくて
いざ君の目の前に立つと 勇気が臆病風に吹かれ
散々予習したフレーズ 胸から溢れ出して忘れる
熱くなる鼓動が痛いぐらい ほんとに僕らしくない
もうカッコ悪くてもいいや とにかく 君に聞いて欲しいんだ

大好きだ 大好きなんだ
それ以上の言葉を もっと上手に届けたいけど
どうしょうもなく 溢れ出す想いを伝えると
やっぱ 大好き しか出てこない

ただ それだけで でも それがすべて

はじめて会ったのはSo 晴れた日で 一日中暑い日だった
それは僕と君とが出会えた日で 突然の恋が始まった
顔もスタイルもすごくタイプ 直球ど真ん中ストライク
君の笑顔は自由だった そんな君に夢中だった
それから毎日電話で長話し でも緊張してまたからまわり
だれにも負けないデッカイ愛 そんな気持ちに気付いているかい?
押さえ切れない 想いが増した から勇気を出して一か八か
飾らない気持ちを持って今 君に伝えたいことがあるんだ

大好きだ 大好きなんだ
それ以上の言葉を もっと上手に届けたいけど
どうしょうもなく 溢れ出す想いを伝えると
やっぱ 大好き しか出てこない

本当は 恐くて不安もあるけど
君のこと 君の夢 守れるように
もっと強くなると約束して
今すぐに まっすぐに 君の街へ 君の元へ

大好きだ 大好きなんだ
それ以上の言葉を もっと上手に届けたいけど
どうしょうもなく 溢れ出す想いを伝えると
やっぱ 大好き しか出てこない

ただ それだけで でも それがすべて

君に伝えたいことがある
胸に抱えたこの想いを
うまく言葉にできないけど
どうか聞いて欲しい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

告白

言わずとしれた、FUNKY MONKY BABYSの告白です!
何しろ15分流れ書きなので酷いです。
また書き直したいなぁ。

ファンモンの曲は全部好きなので、他の曲でも書けたらいいなぁ!

閲覧数:316

投稿日:2011/07/10 11:30:49

文字数:2,709文字

カテゴリ:小説

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