五月雨を集めて頬伝う川の中を
泳ぐ眼に映るのは足元だけだった
頭を垂れたままで目を合わせることも無く
あなたが鳴らした鈴の音は聴こえなくなって
水溜まりに映る月も
あなたを照らしてくれてるのに
ずっと俯いているように見えたあなたの
白い顔が零す笑みを囲んだ蜘蛛
松蝉が鳴きだす頃後を追うように
空が泣きだしては思い出す翡翠の声
少し息を止めて耳澄ませて確かめるのは
いつまでも僕の中をせせらぐ傷の声
躓かないように踏み出す先睨みつけ
目の前に立つ壁を越えるのは諦めた
別に空を見上げなくても
水面に映る月が綺麗で
足元を照らす光を探すように
下を向くあなたの背を見つける度に
再び訪れる幸せを願う
言葉も届かぬまま心ごと流してく
走り梅雨に濡らされた髪を梳かす
指に踊らされて狂わされてもまだ
混じり気のない愛が僕の中から
引き摺り出せぬまま
別れ際に吐いた「またね。」
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