あぁ、もう日は傾いて
帰りたいのはここじゃなくて
ねぇ、夏休みはないって
教えてくれよ
どっかに消えた世界へ
ひび割れたって砕けないで
ねぇ、魔法はもうないって
知っているから
こうしたいとか
何にも 何処にもないから
間に合わないことばっかで道に迷って
「それでも日々は続くからこそただ愛おしい」
なんて思えたら良かった
なぁ
世界はビー玉
そう子供の頃感じていた
覗き込んだ世界は
淡く澄んだ光を放っていて
甲斐性もない妄想や空想を
ポッケにしまって
離すまいと掴んでいたんだ
目指した未来は
六畳間の上の屋上
明日を辞めるような未来じゃ
そんなはずの未来なんかじゃなくて
分かっていたんだ
「本当は…」
まどろむ視界の中
けたたましく今日が嗤った
あぁ、もう日は過ぎ去って
伝えたいのはそれじゃなくて
ねぇ、答えなんかないって
教えてくれよ
どっかに落とした今日へ
繰り返しても覚えないで
ねぇ、魔法はもうないって
知っているから
こうしたいとか
何にも 何処にもないけど
気に食わないことばっかで狂ってんだって
「あの日の空は褪せることなく今も美しい」
なんて思えたら良かった
「なぁ、」
世界はビー玉
そう子供の頃感じていた
本当なんだ
世界は淡く澄んだ未来を映していて
傷一つのない
鉄塔や友情や思い出みたいに
壊れないと思っていたんだ
手にしている
世界と呼べたはずの紛い物は
何重にも傷がついて
無様にひび割れていく音がする
「なぁ、気づいているんだろ?」
「そんなガラクタはもう捨てちゃえよ」
うるさい
うるさい
うるさい
うるさい
うるさい
うるさい
うるさい
そういえばきっと
あの頃の僕もこんな風に駄々をこねて
捨てられそうなガラクタ紛いを
宝物なんだと信じて
忍ばせていたっけ
世界はビー玉
そう思えないほど年を取った
痛みを知った
だけども今も僕の宝に変わりなくて
目指していたんだ あの時の
本当の大人ってやつに
なれる最後の準備をしようか
手にしたビー玉を心の奥
おもちゃ箱にしまいこむ
その最後に
透かして見た歪な痛みたちが
光っていたんだ
何回も何回も
折れ曲がって傷をつけ
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