「そういえば、やらずに後悔するよりやって後悔する方がいいっていう方が居ますけれど、私、あれが嫌いなんですよね」
「何故嫌いなのかって考えてみましたの。やはり一丁前に後悔する前提である事、それから……『現時点でまだやって居ない事』がある、その空気を感じると、今話している時点でまだやって居ない、後悔してない事がおありなのでは? と」
「常に求め続ける気力、といいますか。そういうのが足りていない。すでに逃げ腰で一時停止してしまっている空気が
その語りにはあるのですわ」
「そう、例えばですけれど、人間関係――――。私とあなたとの縁を破壊し尽くす。これを貴方はまだやりとげていない。後悔出来ていない。いいのですか? 私は非常によろしくないと感じて居ますの」
「私のお家は転勤族で、何年か事にあちこちを渡り歩いていましたの。そのたびに人間関係が広がったり拗れたりするのがめんどくせーなと私は常々思って」
「なにしろこのままでは悩んで、異国の地で身動きできないまま後悔してしまう事を悟るのです」
「そして、やらずに後悔するよりは、やって後悔したい。その一心で転校が決まると、『壊し』にかかるのです。帰る場所が二度と無くなるように、とあらゆる縁を切り……リセット癖なんてものではありません。やらずに後悔しないように断捨離するのです」
「おかげで、人間関係で後悔したことはありません。私はいつも、やり遂げていますから」
「……貴方はどうして今日、来てくれたのかしら?まだ、後悔する覚悟が決まらないから、ではありませんの?」
「ほら、うちが家業を畳むときなんて、居なくなったら国の経済が、なんてのも言われたものですけれど、……えぇ、やって居ないし後悔もしていない話で何年も引き摺りましたが、今も国は動いています」
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