女王の言う事を、国民は何でも聞いた。
舞いを見たいといえば、国中から一流の踊り子が集まり、女王の前で舞った。
笑えといえば笑った。
殺せといえば―……簡単に殺した。
女王の言うことは、絶対遵守。いつのまにか、国はおかしくなり始めていた。
『コイツもダメか』
小さな夢は、小さく舌打ちをした。
* * * *
朝。私は起き上がり、長い髪を二つにまとめ、ドレスを纏った。
長い髪を纏めるのには、10分はかかる。
そっと、鏡を覗いた。
私は……その自分の姿に、小さく悲鳴を上げた。
「っ!」
白いはずのドレスが、黒い。顔が……醜く焼け爛れている。顔の右半分に、何故か片方だけ割れたクローバーの仮面が付いている。
「いやっ!いやあああああ!」
こんな私、見たくない!
私は自室で暴れた。
テーブルを持ち上げて、鏡を割る。
気付いたときには、鏡の破片が地面に散らばり、部屋はぐちゃぐちゃだった。
それでも……私の気は晴れない。
もう一度、今度は窓を割ろうとした、その時。
『君もアリスじゃなかった』
突然、私の頭の中に声が響いた。
その瞬間、私の動きがピタリと停止する。
そして……何もしていないのに、体が倒れこんだ。
体が動かない。
「っ!っ!」
声も息も、ままならない。
どうして、どうしてどうしてどうして……!!
また、頭の中で声が響いた。
『君はもう用無しだ。いつまでも悪夢に苦しみながら国の頂点に君臨すればいい』
「嫌あああああああああああああああああああ!」
三番目アリスは幼い娘。
綺麗な姿で、不思議の国。
いろんな人を惑わせて、
おかしな国を造りあげた。
そんなアリスは、国の女王。
歪な夢にとり憑かれて。
朽ちゆく体に怯えながら、
国の頂点に君臨する。
『さあ、次のアリスはどうかな―?』
―END―
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じん
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まふまふ
6.
出来損ない。落ちこぼれ。無能。
無遠慮に向けられる失望の目。遠くから聞こえてくる嘲笑。それらに対して何の抵抗もできない自分自身の無力感。
小さい頃の思い出は、真っ暗で冷たいばかりだ。
大道芸人や手品師たちが集まる街の広場で、私は毎日歌っていた。
だけど、誰も私の歌なんて聞いてくれなかった。
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同じくピノキオPの『 oz 』、『恋するミュータント』、そして童話『オズの魔法使い』との三つ巴ミックスです。
あろうことか前・後篇あわせて12ページもあるので、どうぞお時間のある時に読んで頂ければ幸いです。
素晴らしき作...オズと恋するミュータント(前篇)

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