もう光らないと
やがて暗渠に至るらしい
生命をひそかに悔やみながら

不格好に成長してしまった
手足を縮めこんでいる


報われなかった日々を
振り返る 何も残らない道を
君は愛さなくてもいい





どこかにあると誰かが言う
わかるだろ、
どこにもない
気付くまでの旅路だった

救いのない歌をかけてくれ



夜風に眼が乾いた頃
現れるは山羊の群れ

真っ当な人々は皆寝静まった
連れ去られないよう
明日を迎えられるよう


緩やかな階段を下っていく
道連れるのは何より心が落ち着くね





不釣合ならば捨てて構わない
それだけが優しさで
それだけの世界を
浅ましく待つ
芽の出ない種が植わっていた


  (この国では死なないための詩に価値はない)
  「君が死なないための詩にも価値がある国へ行こう」


報われなかった日々を
振り返る 何も残らない道を
君は愛さなくてもいい

愛さなくてもいい





  死ぬための詩を書き終えたとき
  やっと昇る陽が
  未知の色をしていてほしい

  (おしまい)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

生前葬

閲覧数:81

投稿日:2023/07/26 13:14:52

文字数:465文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました