隠れては消えてゆく蜃気楼の
呼ぶ声は囁き　埋もれていく

僕は探したフリで諦めた
「降参」を言うのは悔しくて

一つ、二つ、と数え折る指は
幾度も閉じて　また開かれて
「応答」の無いままに立ち尽くす
「もういいかい」の問いは
屋根まで飛ばず
弾け　夕焼け映して砂になる

取り残された原風景の底で
「一抜け」と叫んだ　エゴイズム

一つ、二つ、と数え折る指は
どこか無残に色褪せている
「正解」の無い夜を彷徨って
「もういいかい」の問いは
砂に埋もれて
砕け　置き去りの夢は朽ちてゆく

分かっていた「事実」
指が震える
誰もいない「公園」
朝は来ない
「もういいかい」の問いは
虚空に溶けて
沈む　忘却の白い砂の下

<読み>

かくれてわきえてくしんきろおの
よぶこえわささやき　うもれてく

ぼくわさがしたふりであきらめた
こおさんをいうのわくやしくて

ひとつ　ふたつと　かぞえおるゆびわ
いくどもとじて　またひらかれて
こたえのないままにたちつくす
もおいいかいのといわ
やねまでとばず
はじけ　ゆうやけうつしてすなになる

とりのこされたおもいでのそこで
いちぬけとさけんだ　えごいずむ

ひとつ　ふたつと　かぞえおるゆびわ
どこかむざんにいろあせている
こたえのないよるをさまよおて
もおいいかいのといわ
すなにうもれて
くだけ　おきざりのゆめわくちてゆく

わかあてたこたえ　ゆびがふるえる
だれもいないばしょ　あさわこない
もおいいかいのといわ
こくうにとけて
しずむ　ぼおきゃくのしろいすなのした