きみを巣喰わせて

「ね、きみ最後の朝食はなにがいいと思う」
ぽつり呟く窓の向こう 月が水面を照らしている

"きみはいつも病室で本を読んでいた
花瓶の水を取り替えるのはぼくばかりだった
病人が人の世話をするなよ、ときみは笑った
先生が来る前に帰ろうと思った
何かひどく大切なことを忘れている気がする
髪を切るのはぼくの役目だった
まるでずっと前からそうしていたかのように
もう見慣れた頸が真っ白なキャンバスのようだった
気味がわるいな、と頸の主はまた笑った"

揺れるようなきみの目(ひとみ)に映るのは月のひかり

傷をつけた二度と戻らないように
どうかいつまでも健やかで
ぼやけた記憶辿る糸をまだ掴めもしないのに

ゆっくり糸を張る、丁寧に
心に竦んでる、妄執が
きみが傷つける、丁寧に
心に巣喰ってる、本当は

いちどだけ、約束しよう
開いた目やこころの穴が塞がるまえに
つぎの世界では二人だけがいいね
枯れた花に余計な想い抱えるまえに

祈りのようだ、きみの泣き顔
まぼろしじゃない
だから儚い
最後のことば

患わしいね、こんな世界では
「ね、だから次の住処はきみのなかだ」

傷をつけた二度と戻らないように
どうかいつまでも健やかで
こわしたきみを辿る術はもうどこにもないのに

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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きみを巣食わせて / reinou feat. 可不

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投稿日:2022/04/25 07:00:36

文字数:544文字

カテゴリ:歌詞

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