背の高かったあなたの身体が
こんなに小さくなるなんて
未だ信じられないけど
此の腕の中に在るのは
かつてのあなた

触れられなくなってから
あなたの冷たい指先が
温かかったものと気付く

握り返してくれませんか？
私の幼い掌を

ほんの少しだけ微笑っている様な
安らか過ぎる眠り顔
鳴咽があなたに聞こえぬ様
あなたの耳を塞いだ

白い煙に手を振ってみた
あなたをこんなに小さくした
深紅の焔を少し怨んだ
あなたの額に届かない儘
あなたは消えた

伸ばした指がひやりと
粉雪を溶かした
涙の様に流れて消えた

笑い返してくれませんか
私の醜い泣き顔を

ある者は言いました

『命は何度も巡り廻る
　現世の別れも此れ必然。』

赤く腫れた瞼を閉じたら
貴女が笑っていました

私の嫌いな雪が降る

こんなにも愛していた貴女へ
貴女と浴びた粉雪は
唯一心地よいものでした

　