そのしなやかな手で触れないで
その優しい声で話し掛けないで
貴方を愛しすぎて、怖くなった
貴方を求めすぎて、怖くなった
 
いつもと変わらない様で変わっていく日々
貴方もはじめの頃とは違っていった
真っ直ぐ歩けたらいいのに、いつも
迷う事もなく走れたならいいのに、ずっと。
そのしなやかな指で絡めずに
その強かな胸に寄せないで
貴方が優しすぎるから、不安になった
貴方が側にいるから、不安になった
 
季節は決して変わらず毎年繰り返してく
踏みしめる葉も音立てて土に帰っていく
この先が見えたらどんなに楽だろう 
それでもきっと沢山後悔するだろう
その甘えたい足で追いかけないで
その甘い口で縛りつけないで
貴方は大人だから、平気なのでしょう
貴方は知らない、臆病な子供を
ずっと側にいられたら、どんなに幸せでしょう

晴れ渡った空さえ 今の私には悩ましい色にしか見えない
煙草の煙さえ愛らしく ずっと もっと そっと 撫でててほしいと 座り込む私が居る

その――
そのしなやかな手で触れないで
その優しい声を耳に届けないで
結局優しすぎるから愛してしまった
貴方が傍に居るから好きになった

そのしなやかな手でずっと もっと そっと 触れてほしい・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

そのしなやかな手

手といい、愛する人の仕草などに惹かれて。逆に好きになることに不安になって。
離れていきかけつつも、結局無理で傍に居続ける。
そんな形を表現してみました。

閲覧数:67

投稿日:2009/09/14 20:21:41

文字数:530文字

カテゴリ:その他

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