「ね~え、今日はどこいく~う?」
語尾がだらしなく延ばされた言葉が私に覆いかぶさる。
「・・・今日はですね・・・」
私は適当に今日の予定を説明した。しかし、ホントこいつはなんでこの服なんだろう?
初めてあったときのような、和服を無理やり洋風にしてあるみたいなやつだ。
私はため息をついた。
なんかため息ばっかついてる気がする。
~巡り廻るナイフの物語~ 第1章「不良少女」 第3話
駅からしばらく歩き、水族館の入り口に立つ。ここに来るまでナスに
「ね~スリープちゃん、知ってるう~?拙者が見てるアニメで、魔法小jy(ry」
こんな調子の会話を延々と聞かされていた。やっと開放される・・・
水族館に入る。私は受付に向かい、
「大人二人」
と受付に告げた。受付は、傍らの引き出しから、チケットを二枚取り出し、渡してきた。
「・・・ほら、いきますよ?」
奥でぼーっとしていたあいつに告げた。
水族館に入る。ここは最近リニューアルされたばかりらしく、まだ新しい感じが随所に残っていた。
私は色とりどりの魚が泳ぐ水槽の前で立ち止まった。
親子なのか、二匹の魚が近くに寄っている・・・
親子、か・・・・・
私は、昔、まだ両親が生きていたころを思い出す。
「スリープちゃん~~~~~?どうしたのお~~~~?」
思考を邪魔された。まあいいか。
どうせ思い出なんて覚えてないし。
わたしはあいつの元へ歩き出した。
外に出ると、人だかりができ始めていた。パンフレットで確認すると、そろそろイルカショーが始まるとのことだった。
私たちは、手ごろな席を見つけ、座った。とたんにハイテンションな場内アナウンスが流れる。
「いよいよ皆さんお待ちかねのイルカショーのスタートでございます!」
いっせいに調教師がプールに飛び込んだ。
歓声があがる。
そして私はちいさな悲鳴をあげる。
私は強引にキスをしようとしたナスをさばくのに必死だった。
デートが終わり、駅でナスと別れた。今日のお宿を探さなくてはならない。
財布を開けて中身を確認するも、千円札が3枚しか入ってない。ビジネスホテルはあきらめよう。
ケータイを開き、しばらく迷ったあと、ある人に電話をかけた。
「え、いいよ~ いつまでも泊まっていけばw」
電話にでた人はそういった。
私はケータイを閉じ、電車に乗るため駅構内へ向かった。
電車をいくつか乗り、歩いてとあるマンションへ辿りついた。
エレベーターに乗り、32と書かれたボタンを押す。高級マンションなので無理はない。
「桃音」と書かれた表札の部屋の前で立ち止まり、インターホンを押す。
お目当ての人はすぐ出てきた。
「モモ!!」
「ネルぅ~ 久しぶり~」
親友の桃音モモの家に泊まることにしたのだ。
モモは制服を着ていた。モモの家はかなり金持ちだ。一応モモはここに一人暮らしをしている。
到底高校生が住むようなマンションではないが・・・
「モモも元気して・・・・た・・・?」
私はモモの着ている制服に注目した。
モモは偏差値68の私立の学校に通っている。その高校は、校則などないに等しく、制服の改造もゆるされているらしいのだが・・・
モモの制服は、いたるところがフリルやレースで装飾が施されていた。もう制服の原型を留めていなかった。
「モモ・・・それ・・・」
「ああ、これ?メイドさん風に改造してみたんだ~w」
またか・・・
モモは極度にフリル、レース、メイドなどのカッコが大好きなのだ。私には到底理解できないのだが・・・
普段着もほとんどメイド服かロリータファッションなのだ。
「ま、ここで話すのもなんだし、うち入ってよ」
「ん?そうだね」
私たちは、モモの部屋に入った。
続
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ご意見・ご感想
目白皐月
ご意見・ご感想
こんにちは、目白皐月です。
この作品のネルは基本的に他人を信じていないようですが、自分で「親友」と認識している辺り、モモは別なのでしょうか。
ぱっと見た感じではあまり相性が良くなさそうな組み合わせなので、どうして仲良くなったのかという経緯が気になります。
基本的なことですが、作品は「書き始める」ことは簡単でも、「きちんと完結させる」ということは難しいです。完結めざして、頑張ってください。
2011/09/08 00:05:56
苺ころね
コメントありがとうございます?
そうですね。確かに合わないかもしれません。
ですが、次の話でネルとモモのなれそめを書くつもりです。(回想シーン風に)
まだそういう細かい設定を作ることになれてないので・・・
まだ勉強が必要です(・ω・)
2011/09/08 19:27:37