綺麗な花が沢山咲いたので、お花屋さんとして花を売っていたら、常連客である青髪の青年に大きな花束をもらって、その上プロポーズまでされてしまった・・・。お互いよく知らない者同士なのに、どうしてあんなに真剣な目で告白できるのかしら。思い出すだけで赤面してしまう・・・!
「ミク~?」
「ミクオ!?」
「顔が赤いけど、どうしたの?」
「な、なななななんでもない!」
我ながら挙動不審だとは思うけど、プロポーズの返事なんて、弟のミクオに相談なんて出来ない。きっとからかわれるに決まってもの。
「ふーん?」
変な姉貴、と聞き捨てならない事を呟いたミクオの頭を軽く叩く。
なにか文句をぶつぶつ言う弟を放って、あたしは湖の方へ向かった。
「んー・・・やっぱり、いつ来ても綺麗・・・」
お気に入りの場所。ここの水を使わせてもらった花達は、みんな綺麗に咲いてくれる。それに、湖に反射する景色も絶品!
「・・・あれ?」
少し湖から離れた林の中で、湖の畔に座り込む少年が目に入った。
悲しそうな瞳で、あたしがいる方向を見つめてる。あたしがいる事には全然気付いていないみたいで、何だか・・・すごく胸を締め付けられる思いになる。
(なんだろ・・・この、気持ち・・・?)
話さないし表情はないのに、瞳の中には色々な感情が見える。
悲しい、寂しい、そんな悲痛な叫びを、その子は視線で語っていた。
場所を変えて、少年の近くまで移動してみた。
そこからは、少年の横顔がハッキリ見える。
(・・・あっ・・・)
すると彼は、無表情のまま静かに涙を流す。そのまま黙って立ち上がると、森の奥へと姿を消す。もう夕日で湖が紅く燃え上がっているように見える頃になっていた。
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