１Ｓ
ぼやけて翳（かす）む　視界は
苦しいほど　醜悪で

開け放つ　窓の向こう
落ちていくよ　この世界を


１Ａ
「なにを迷ってるの」って
沈んだ思考を遮って

右から　聞こえたのは
喧しくて嫌（や）なあの声

「なにをしても無駄さ」って
塞いだ両手　すり抜けて

左からも　劈（つんざ）いた　汚声（おせい）
遅効性の痛み


１Ｂ
あれ？　また壊れちゃった？
ああ　もう沢山だよ……

この階段を　さあ
駆け上ってドアに
手をかけよう


２Ｓ
真っ暗だった　世界が
染みるくらい　綺麗で

開け放つ　空に映る
5.25秒の夢を

探したら　見つけたら
Realize


２Ａ
ちょっとよろめいて　「痛（いった）～っ！！」
吐き気するような香水に

見上げる　予想通り
今日もツイてない一日

「どうせ損するなら」って
今更さ　自棄（やけ）になったって

帰り道も　逃げ道も　何も
残されてなかった


２Ｂ
ねえ　まだ　ここにいたんだ？
今　すぐ出ていくから

この生ぬるい手を
止める温かさも
もう知れないだろう


Ｃ
見下ろした　灰色が
ゆら　ゆられて

少しずつ　足を踏む

これがそう

そうまとう

つまらない……

ああぁ……


３Ｓ
目を閉じたのに　世界は
驚くほど　綺麗で

こんなにも真っ白なら
少しくらい　触れても……っ？

４Ｓ
ぼやけて滲（にじ）む　視界が
沁みるくらい　醜悪で

色褪せる　空に映る
5.25秒の夢を

探したら　掴んだら
Realize.