『ずっとミク姉が大好きでした』
こんなに短い文を打つのに10分かかった。
おかしいな、ただ素直な気持ちをぶつけているだけの事なのに。
打ち終わり送信するまでの時間…皆さんは察しられるであろう。
実は俺が想いを寄せているミク姉とは、隣の家なのだ。
そんなら直接言えばいいじゃない。
そんなことを双子の姉であるリンに言われた。
しかし無理だ。そんな勇気が無いと言ったら、"ヘタレ"と言い捨てられた。
そんなヘタレな俺がメールを送るくらいなのだから、そこは褒め称えてほしい。
(…迷惑かなぁ)
ベッドにゴロッと寝転がる。
長時間にらめっこしていた携帯はすっかり熱い。
少しだけ疲れた目を擦り、指を泳がせた。
少しためらいながらも、送信ボタンを押す。
数秒指が離れずに、画面を見つめていた。
そして、今に至るのである。
『なんで?』
1分もせずに来た返信。
俺の短い文より、さらに短い。
呆気にとられながらも、必死に言葉を考える。
(なんで?なんでって…)
可愛い、優しい、傍に居るとドキドキする。
そんなありきたりな言葉を並べている内に、ふと頭の中に入ってきた言葉。
《片思い》
こんな短く、サラッと。
もしかしたらミク姉は俺のことを何とでも想っていないのではないか…
今までの緊張が解れてなんだか泣きそうになった。
何て返信すれば良いのか分からず固まっていたら、着信音が響く。
びくりと肩を震わせると、ミク姉の名が表示されている。
補足でもあるのだろうか、恐る恐るメールを開く。
『ちょっと待ってて』
普段のミク姉は可愛い絵文字を上手く使い女の子らしい文なのに、今回ばかりは絵文字無しに短文と言う有り様だ。
待つ…?
何をどう待てと
混乱していると、隣の家のドアが開く音がした。
気が付けば玄関に向かって走り出している自分が居た。
end
コメント0
関連動画0
オススメ作品
花を育てよう
作詞・作曲:Ecchou
真っ赤な赤い花を
赤い花を育てよう
あの花壇
このベランダ
真っ赤な花いっぱいに
元気なグリーン植えよう
みずみず青く繁る
あの窓この窓いっぱい...花を育てよう
Ecchou
8月15日の午後12時半くらいのこと
天気が良い
病気になりそうなほど眩しい日差しの中
することも無いから君と駄弁っていた
「でもまぁ夏は嫌いかな」猫を撫でながら
君はふてぶてしくつぶやいた
あぁ、逃げ出した猫の後を追いかけて
飛び込んでしまったのは赤に変わった信号機
バッと通ったトラックが君を轢き...カゲロウデイズ 歌詞
じん
Abstraction
軽快な端子(たんし)
忙殺(ぼうさつ)の鰓(えら)
0と1
閉じた肺の幻聴
再編戯曲
平滑(へいかつ)の波
0と1
実らない蛍雪(けいせつ)
「凡庸」に針は宿る...アブストラクション 歌詞
iNat_28313199
『シロツメクサの結い花』
Music:あぽろ Lyric:市ヶ谷ネイ
約束をそっと結んで
ねぇ歩んできた日々を覚えてる?
時を超え重なった刹那の蒼い夏を
描いた夢は曖昧で明日は不確定でも
あの空に咲かせよう願い込めた魔法を
胸に宿った想い
手を取って確かめて
小さく笑い合って届くように願おう...シロツメクサの結い花 - Lyric
ラテルネ
虹を探して
光に触れた
指先に残る赤い羽根風に乗せて
青空へ溶けた
それぞれの音が重なり合って
彩るハーモニー
白い光が差し込む窓に
プリズム置いて覗き込んだんだ
掴まえられないもの
今でも追いかけ続けてる...Birth of Rainbows
legata
ゼロトーキング / はるまきごはんfeat.初音ミク
4/4 BPM133
もう、着いたのね
正面あたりで待ってるわ
ええ、楽しみよ
あなたの声が聞けるなんて
背、伸びてるね
知らないリングがお似合いね
ええ、感情論者の
言葉はすっかり意味ないもんね...ゼロトーキング(Lyrics)
はるまきごはん
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想