こんにちは、ソライトです。それでは、内容に行きます。
※注意
・カイメイ風味があります。・時代設定が、若干ズボラです。
・あくまで、私の想像です。キャラクターイメージが違う、というところがあるかもしれません。
・KAITO→海斗、MEIKO→芽衣子、となっています。
・若干、内容上の表現がグロめなところがあります(あまり強烈にしないようにしてますが、一応警告張っときます)。
・自分の地元の方言が入ってるところが少しあります。

以上のことが、OK!という方だけお読みください。







──その叫び声が聞こえた瞬間、一番最初に動いたのは、海斗だった。

「‥‥行かなきゃっ!!」

いきなり駆け出した海斗に、へ?とぽかーんとしていた双子も、数秒たったあと、海斗の後を追った。

──たしか、さっき聞こえたのは、こっちだったはず!

とある長屋を曲がると、団子屋の娘が、恐怖におののいたような顔で、一転を見つめている。

「‥あ‥あれはっ‥‥!」

その光景を見た海斗は、はっと、口を押さえて、それから目を背けた。

腹部を、鋭い刃物のようなもので切り裂かれた、黒猫の死体が、大量に蔵からあふれでていたのだ。

──‥なっ‥なんだよ‥‥!これ‥‥!

そらした視線を戻すと、恐怖におののく、発見者の娘に話しかける海斗。

「どうしたんですか?」

「ど‥道具を取りに行こうとしたら‥いきなりこれを見つけて‥‥」

なんだ、なんだ、と徐々に野次馬が集まってくる。

「うわぁ、こりゃあ、ひでぇもんだなぁ‥‥いってぇ誰がこんなことを‥‥」

口々に聞こえてくる囁き声。その中から、海斗が、

「‥またか‥‥動物殺し‥‥」

という、若者の呟きを聞き取った。すぐさま、彼は、女性に、

「ちょっと待っとってくださいっ!」

と一言言って、呟きが聞こえた方に、まっしぐらに駆けて行った。やっとのことで追いつくと、なんと、それは──。

「ひ、氷山先生っ!?」

「あ、あれ?海斗君じゃないか、一体どうしたっていうんだ?」

海斗は、少し遠慮がちに、

「あ、あの!動物殺しがまたってどういうことですか?さっき、つぶやいたの、先生ですよね?」

「‥‥っ‥な、なんだ‥そのことか‥‥」

言葉を濁すように、苦笑しながらくちごもる清輝。それに、不安を覚えたのか、

「‥‥誤魔化さんといてください」

じと~っとした海斗の、上目遣いの視線に、さすがの清輝も、

「‥ここじゃ人が多いから‥あまり大きな声で言えるような話じゃないし‥‥それに‥‥」

海斗がむすっとしていると、彼の背後から、

「じゃ、じゃあ、うちで話してくれませんか!氷山先生!!」

と、鈴が思いっきり肩に飛びついたもんだから、

「ったたたっ!!り、鈴ちゃん、痛い、痛い!痛いから、まずは離してっ!」

思わず海斗も悲鳴を上げた。

「こら、姉ちゃん、海斗を離せよ!お前が離さねぇと、こいつが死んじゃうぞ!!」

「し、死んじゃうって‥‥私そんなに馬鹿力じゃないわよ!」

──‥あぁ‥また姉弟ゲンカが始まってしまっとる‥‥。

「か、海斗君、この子達は?」

「あ、あぁ、この街で知り合った友人です」

海斗の、「友人」という言葉に、再びケンカをやめた鏡音姉弟。

「ま、まぁ、友人になってあげなくもないけど?」

「‥‥一日で友人かよ‥‥」

「ぶつくさ言わない!すいませんね、弟が失礼な暴言ばかり吐くもんで‥教育しときますので、どうぞご安心を‥‥」

そうは言っても、鈴の片手は、蓮の耳を思いっ切り引っ張っている。

──‥ど、どういうことだね‥‥(清輝)。

──こういうことです(笑) by海斗。

めずらしく、清輝に対して、なんとも可笑しげに、けらけらと笑い出す海斗。

「‥なっ‥何が可笑しいっ‥!!」

「別に~それより、鈴ちゃんの家で、さっき聞いたこと、話してくれますよね?」

海斗と鈴が、そう同時に言って、ずいっと詰め寄ってきたもんだから、

「‥はぁ‥分かったよ‥‥僕の負けだ」

「やったぁーっ!!(海斗&鈴)」

「‥‥‥」

──‥ため息つきたいのはおれの方だよ‥‥。

蓮は、ふぅっとため息をついて、足元に視線を移し、ん?となった。

「な、なんだ?この紙?」

ひょいと拾い上げ、その紙に書いてある内容を読んだ蓮は、びくっとした。

「‥‥おいおい‥まさか‥‥」

「蓮ー!!早く家帰るよ~っ!」

という、姉の一言に、

「蓮君、お姉さんを困らせちゃだめだよ~!」

という海斗の、間の抜けた能天気な呼ぶ声が重なり、むかっときたのか、

「うるせぇ、このへたれ!」

そう言って、蓮は、海斗の頭を軽く小突いて、鈴の後について行く。

「へ、へたれってなにさ~!」

ぷくぅと仏頂面になる海斗。その一方で、蓮は、

「そのままさ、バカイトが!」

──あの紙のことは‥‥まだ言わねぇ方が良さそうだな‥‥。

そう思い、きゅっ口を結んだ。

だが、このとき、既に、事件は驚くべきスピードで進んでいた。彼らの知る由も無いときに‥‥‥。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

番凩・11 act2 静かな影

なんかぐたぐたになってしまいましたが、act2完成です。

ほのぼの~とした優しい雰囲気から、一気に、泥沼、という感じになっちゃいました^^;
ヒントになりそうなメモを発見、でも蓮君は、他のみんなに言いません、どうなってしまうのか?
まだまだ事件は、続きます~!こうご期待!

閲覧数:255

投稿日:2010/04/03 13:18:14

文字数:2,118文字

カテゴリ:その他

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  • enarin

    enarin

    ご意見・ご感想

    今晩は!、続き、拝読させて頂きました!。

    うーむ、”動物殺し”。リアル世界だと恨みに繋がり、ご存じの、とある事件(死刑判決)が発生した事もありますから、あんまりピーキーに反応するわけにもいかない内容ですが、でも、猫と生活している身としては、あってほしくない内容の事件ですね。

    で、それを知っているらしい”先生”。そしてにぎやかな鈴、蓮は帰り、海斗はまたメモを拾いましたね。

    今回は、あの先生と海斗君の掛け合いが楽しかったですね。こういうコントみたいなのって好きです~。

    さぁ、事件はどうなるのか?。楽しみです。ではでは~♪

    2010/04/03 18:48:14

    • 愛夢☆ソライト

      愛夢☆ソライト

      >enarinさん
      確かに‥なんかそういう事件ありましたもんね?‥‥。物騒ですよね?‥。
      でも、ここから話が進行していきますからご安心を(←安心要素無いですね;;)
      それに、また新たなメモ見つけましたから!‥‥でも、肝心なところで、そのメモの内容見た蓮君がメモ隠しちゃったんだよな?‥‥(←何)。
      その蓮君相手と違い、海斗君はちょっとだけ先生に対しては強い一面があります^^;

      さて、ここからどうなっていくのか、ご拝読ありがとうございました^^

      2010/04/04 06:26:13

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