からだじゅうに音楽が流れだした金曜日
画面の中 電子音 それがはじまりをくれた
角の立たぬ音楽に飽き飽きしていた僕を
救ってくれたのは 他ならぬボカロだった

いてもたってもいられず ソフトをダウンロードして
思うがまま奔放に 三日で曲を作った
なにもかも手探りで 打ち込んだ拙い音
それだけでも十分で 早くも満ち足りていた

それがさ こんなさ 自己満足な音の断片を
何十何百もの人が聴いてくれていたんだ

この小さな部屋の小さな箱に打ち込んだ音が
どこかの小さな部屋の小さな箱に届くかもしれない
こんな嘘みたいな日々が 続いていきますように
こんな嘘みたいな日々を 続けていられますように

「再生数を伸ばすには、目を引くサムネイルと、幅広い人脈と、お金と、慎重なセルフプロデュースが前提です。」
「長大なイントロや間奏は、聴く人を飽きさせてしまうのでできるだけ短くし、キャッチーさを心がけましょう。」

分かったってば 聞き飽きたってば
確かにそうなんだろうけどさ でも
あの日心を動かした音はそういうものじゃなかった
あの日心を動かした音はそういうものじゃなかった

言いたい言葉なんて僕には別にないけれど それでも
作ってみたい 届けてみたい 音ならあるから
この日々が終わっていくまでは 時間が許す限り
ネットの海に流すのさ 宛先不明の音を

たくさんの音に助けられた
たくさんの音を紡いできた
名前も顔も知らないけれど
願ってやまないんだ この音が
だれかを救うことを

この小さな部屋の小さな箱に打ち込んだ音が
どこかの小さな部屋の小さな箱に届くかもしれない
こんな嘘みたいな日々が 続いていきますように
こんな嘘みたいな日々を 続けていられますように
こんな嘘みたいな日々が 未来へつながりますように

からだじゅうに音楽が流れだした衝撃を
だれかに届けたいんだ 次は僕の番だから

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ボトルメールミュージック / 重音テト

2021年10月14日に投稿したオリジナル曲の歌詞です。
作詞がとても拙い。

閲覧数:68

投稿日:2021/10/24 02:30:31

文字数:799文字

カテゴリ:歌詞

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