夕焼けのようだった
地平線のようだった
君の笑顔は完璧に計算しているから!
誰もが言ったその発明は何の意味もないと
じゃあ己たちだってどういう因果でここに居るのだ?
虚無の末に辿り着いた
コンデンサで始まってコイルで終わるような
電流が
その瞬間
走ったんだよ!
人参みたいな色をした僕の瞳は
幻想に浸るように
青空に滲んだように
ちんけな己の心を動かして止まなかった!
君の心を動かして止まなかった!
人情みたいな色物に愛想を尽かした己が
現実逃避みたいに
世界に空振るみたいに
己の幻想は幻想のままだった
そんなの判っているよ
人参も育たないこんな終末世界
ここにはもう己一人とロボが数機
花は喉を枯らし風は死んでいる
鳥は羽を毟り地球は茶色く見える
君が言ったこの発明は何の意味もないと
なら君のその手で壊して見せてよダメな僕を
やっと分かった やっと会える
コレクタからエミッタまで
流れているような電流はどの時もずっと
僕たちが生きていていいってこと!
人参みたいな色をした君の心は
曇り空を突き抜けるように
狙いを定めるように
ちっぽけな己の心を動かして止まなかった!
君の心を動かして止まなかった!
あの頃みたいな色鮮やかな時代がまだ僕らを待ってる
あの冒険譚みたいに
世界に気づいたみたいに
己は元々は金属の欠片だ
何かを思い出した
第二宇宙速度を超えて僕は君に会いに来たんだよ
解に進むボルトはあるかい?
ほらじっとしてないで
これからも錆びつかないような
夜空を歩こう
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