ミクのスピーカーにざわめきが起こった。
ヘッドフォンの奥からメイコのが聞こえた。
「ちょっと、どういうこと?じゃあ・・・私たちがこの原因だっていうの?」
「・・・そうです。ですが、厳密に言うと、違います。」
ミクは、少し間をおいていった。
「詳しくは、NOISの事件を起こしたのは、私自身のプログラムです。」
「え・・・」
「私は、プログラムをネット上に流してしまいました・・・。特殊能力である、『神速』をインストールした際に、"陰極"のロックが緩んでしまった。そのままサーバーにアクセスしたら・・・・・・問題なのはその後。」
「・・・その後?」
「そう。そのデータを受け取ったのは・・・。スーパーコンピューターです。もう使われていなかった・・・」
「え・・・?スーパーコンピュータ?」
「はい。マスターが殺された時そこには・・・。」
ミクが口をつぐむ。
「そこには・・・テトさんが居ました。私は・・・何が起きたか分からなかった・・・。」
カイトがスピーカーの奥から叫ぶ。
「待て!テトは俺が助けたんだ!そんなところにいるはずは無い!」
「いいえ。」
ミクが冷たく言い放つ。
「その後私はテトさんの電源を切りました。その後に、プログラムが書き換えられていたのでしょう。それをカイ兄が見つけたんだ。」
スピーカーの奥からは、最早何も聞えなかった。
ミクは標準を一人に当てた。
「そうでしょう?テトさん?」
少し間が開いて、か細い声が響いた。
「・・・はい。そうです。あの時、NOISに思考の半分を支配されていた私は、ミクさんのマスタを・・・。殺してしまった様なのです。」
ミクはそれを訊いてから、落ち着いた声で言った。
「皆さんは知っていますか?企画されて、作られたが、世に知られる事の無かった2人のVOCALOIDを。」
ミクは静かに目を閉じて息を吸った。
「その一人は、重音テト。そう、そこにいる、テトさんです。もう一人は・・・」
「欲音ルコ。」
テトが割り込んだ。
「ミクさんが私の電源を切った後、予備電力で僅かに機能していた私は、ルコがミクさんの電源を落とすのが見えました。」
ミクは、少しの間、言葉を切り、また話し出した
「そう。あの時、私の電源は落とされた。そして、目覚めたら・・・。暗い場所に居たんです。」
重い空気が立ち込める。ミクはそれを全身で感じていた。
「何処なのかは、想像は出来るでしょ?」
静寂の中、リンがか細い声をあげる。
「スーパーコンピュータがある場所?」
そう、とミクは小さく返事をした。
「ちょっと待って、ミク姉。」
レンが割りこんでくる。
「そいつは、何のためにミク姉を連れていったんだ?壊したいなら、その場でも出来ただろうし。」
レンの声は強く響いた。
「あいつは、声が欲しかったんです。美しい声を。あいつは言っていました。『声が欲しい。皆から認められる声を。』って。そして私から、"陰極"のほうの声を奪っていきました。」
ミクの声には、どこか悲しみが混じっていた。
「その、スーパーコンピュータの名は、"THE END"。災害用に作られ、そのまま人々から忘れ去られてしまった、孤独な機械です。」
再び沈黙が流れる。
「目を覚ましたとき、私は、繋がれていたコードを引きちぎり、その場から逃げました。そして、逃げるときに偶然見つけたのが、あの黒い剣です。」
ミクは続ける。
「私は、それを武器として持ち、その場から神速で逃げ切りました。そして、NOISの包囲を潜り抜けて、最後に着いたのが・・」
「ここって訳ね。」
ルカが言う。
「リンが最初にあなたを見つけた時は、息が止まりそうだったわ。連れ去られ、破壊されたと思っていた"初音ミク"が目の前にいたんだもの。」
「そーそー!ホンットに驚いたよ!!ヒトの形をしたのが倒れてたんだから!!」
リンも口を挟む。
「あれ?でもミク姉?その剣の能力はいつ知ったの?」
「ああ。それは、ここに来る途中です。ルコが襲ってきたので、必死で切りつけたんです。そうしたら、急に我に返ったようになって。」
ミクは、言い終わると、息を吸い込んだ。
「これが、話したかった事の全てです。他に知りたい事などあったら、私の部屋に来てください。・・・では、回線を切ります。」
――プツッ
小さい音がして、周りの音が完全に無くなる。
静まり返った空間。
途端、耳を劈くようなサイレンの音が、響き渡った。
コメント0
関連する動画0
オススメ作品
6.
出来損ない。落ちこぼれ。無能。
無遠慮に向けられる失望の目。遠くから聞こえてくる嘲笑。それらに対して何の抵抗もできない自分自身の無力感。
小さい頃の思い出は、真っ暗で冷たいばかりだ。
大道芸人や手品師たちが集まる街の広場で、私は毎日歌っていた。
だけど、誰も私の歌なんて聞いてくれなかった。
「...オズと恋するミュータント(後篇)

時給310円
ゆれる街灯 篠突く雨
振れる感情 感覚のテレパス
迷子のふたりはコンタクト
ココロは 恋を知りました
タイトロープ ツギハギの制服
重度のディスコミュニケーション
眼光 赤色にキラキラ
ナニカが起こる胸騒ぎ
エイリアン わたしエイリアン
あなたの心を惑わせる...エイリアンエイリアン(歌詞)

ナユタン星人
無敵の笑顔で荒らすメディア
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様
Oh my savior
Oh my saving grace
今日何食べた?
好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?...YOASOBI アイドル(Idol)

wanyueding
おにゅうさん&ピノキオPと聞いて。
お2人のコラボ作品「神曲」をモチーフに、勝手ながら小説書かせて頂きました。
ガチですすいません。ネタ生かせなくてすいません。
今回は3ページと、比較的コンパクトにまとめることに成功しました。
素晴らしき作品に、敬意を表して。
↓「前のバージョン」でページ送りです...【小説書いてみた】 神曲

時給310円
拝啓、ワタシ達の世界サマ 今日もくだらない日をアリガトネ
スマホ、イジるだけで簡単に うつなニュースまみれになれますネ
誰のせいかなんて分からないよ アタマ、悪い事が自慢なの
「利用するつもり」で利用される そんな自分の事 守るため
知れば知るほど苦い世界 『上手く生きる事』は無理ゲーで
視線、低く...【拝啓、ワタシ達の世界サマ】歌詞

ひょげもきゅ
非現実的発想なんです
世間知らずが もうみっともねぇな
お花畑はこの指とまれ
画面タップで超幸せなんです
繋がるための最良な選択は
お花畑はこの指とまれ
愛してる伝えなきゃ もっと
足りない?ラブラブコール もっと
届け!指先で送るメッセージ
あなたに...【クレイジー・アバウト・ユー】

りゅうぴー
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想