歩けない 歩けないの
歪なことに 気づいてしまったから
動けない 動けないの
知らなかった頃には 戻れないの
ずっと不思議でした
履ける靴がないことが
異形の脚なら 人魚の尾びれが良かったなぁ
自由に海を泳げて みんなから愛されただろう
だけど
生憎ながら 私の脚はキメラのそれでした
歩けない 歩けないの
バランスさえもとれなくなってたから
お願い 見ないで
腐敗臭には 気づかないで
残念ながら 神経は生きていたようで
少し動かしただけで 「痛い」と声を張り上げるのです
そう…
いつの間にか 私の脚は腐っていました
「よく転ぶなぁ」とは思っていたの
ずっと不思議でした
履いた靴の違和感が
転び擦れて生まれた傷は じわりじわりと脚を蝕み
「苦しい、苦しい」と悲劇に酔って 私はひとり泣き出した
泣き疲れて見渡せば あたりにひしめく屍の山
このままいたら私もいつか あんなふうになるのかな…
そんなの嫌だと体を抱けば
一本橋が目に入った
腐った肉を切り落とせば
あの向こうに渡れるのかな
無様な骨をさらす勇気だけ
心に一つ滾らせて
あの向こうへ渡ってみよう
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